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合計作品点数:19点 / 素材:シナノキ、和紙、針金、他

デザイン科 - 空間演出デザインコース

堀場 英史【学科賞】

NEO郷土玩具プロジェクト ー 創造的ライフスタイルのススメ ー

物質的豊かさを求め続けた結果、世の中の格差は広がり続け、消費社会は限界を迎えようとしています。

NEO 郷土玩具プロジェクトは「本当の豊かさとはなにか?」を問い直します。

身の回りの素朴な素材や風景、日常の小さな瞬間の中にある創造のタネをすくいあげ、NEO郷土玩具として表現することによって、豊かさの新たな形を探求します。郷土玩具は単なるモノではなく、世の中を感じ、つながり、表現する行為そのものなのです。

自らの目でみて、自らの心で感じ、自らの手でつくることを通して、自らの人生を豊かに生きる。
創造的なライフスタイルによってすべての人々がクリエイティブを発揮し、豊かな暮らしを実現できる世界を目指します。



https://neo-kyodogangu.studio.site

〈はりこ人形〉 木や粘土でできた型に和紙を貼って制作する郷土玩具。この手法は古くから行われており、日本各地で見られる。
〈ぬりこ人形〉 郷土玩具の下地として使用される胡粉を用いて、型となる様々な素材に胡粉を塗って制作した新しいスタイルの郷土玩具。
〈ほりこ人形〉 長野県上田市発祥の「こっぱ人形」から着想を得て、現代を生きる人々をモチーフにして制作した木彫りの郷土玩具。

〈かんさつノート〉 19種類のお題が書かれたアイデアカードと、スケッチを行うためのスケッチペーパーからなるプロダクト。 アイデアカードのお題をもとに身の回りにあるものをスケッチし、観察力の鍛錬と観察の習慣づけをした。

普段の暮らし・旅・地域をテーマに、それぞれ郷土玩具を制作した。
〈暮らし×NEO郷土玩具〉 身の回りにあるもの、いる人を題材に郷土玩具を制作した。
〈旅×NEO郷土玩具〉 瀬戸内海に浮かぶ小豆島を訪れ、その記憶を郷土玩具として制作した。また、小豆島で撮影した写真とともに旅行記として冊子を制作した。
〈地域×NEO郷土玩具〉 大阪府岬町を訪れ、そこに住む人を題材に郷土玩具を制作し、イラストレーター・おちゃのこすいすい氏(IG:@ochanoco.suisui)とともに作品展をおこなった。

〈WS マチぬりこ〉 「身の回りにいる人」をテーマに、架空の郷土玩具を制作するワークショップを行った。このワークショップでは、観察から創造までのステップを体験できるものとなっている。
〈WS ミサキノかみさま〉 大阪府岬町にある古墳の間伐材を使用し、『地域にいる(かもしれない)かみさま』というテーマで郷土玩具を制作するワークショップを行った。郷土玩具の制作を通して、観光ガイドには載っていないような地域資源を考えるということを目的としている。
〈ライフスタイルマガジン『つくりびと』〉 創造的ライフスタイルを実践する方にお話をうかがい、その内容を冊子としてまとめた。今後もさまざまな人にお話をうかがい、シリーズ化していきたいと考えている。

このプロジェクトを通じて、創造することがもたらす豊かさを深く実感しました。観察による視点の広がり、作品を介した他者とのコミュニケーション、地域の新たな魅力の発見など、創造する行為が日常に特別な価値をもたらしてくれました。これは消費中心の生活から創造中心の生活への転換を意味します。 作品展やワークショップを通じて創造の喜びを分かち合い、自身の中にも新たな価値観が芽生えました。また、人々のつながりこそが地域の最大の魅力だと気づかされました。 創造的ライフスタイルは、効率や結果を重視する現代社会から少し距離を置き、自分の感性に従って創造する喜びを感じる生き方です。この活動を個人的なものに留めず、より多くの人々と共有し、実践可能なムーブメントとして広げていきたいと考えています。日常の中に創造の種を見出し、「つくることを楽しむ人」が増えることで、社会により多様な価値が生まれることを期待しています。

  • 京都芸術大学 通信教育部