情報デザインコース 米山 千尋【コース奨励賞】
おせち
本/W182㎜×H182㎜ 84ページ 上製本
「母を知る」をテーマに、母娘の何気ないささやかな日常の記憶をイラストエッセイで綴りました。
2023年、母75歳。この頃から母が大きく変化しました。身体機能の低下から思うように動けないもどかしさ、いつも先回りして考えられていたことが覚えられなくなっている悔しさを感じながら、今までにない自信をなくす母の姿を目の当たりにしてきました。特に忘れてしまうことについては、大切な何かを失ってしまうのではないかと不安を感じるようになりました。
そこから記憶に焦点を当てて、幼少期から現在に至るまでの母と娘としてのエピソードを振り返ってきました。改めて振り返ると、母親として見てきたから対立していた自分に気づきます。そして、母自身を知っていくことで向き合い方が変わってきたように思います。
記憶というものは不思議なもので、簡単に切り捨てられていくものもあれば、強い感情がともなった経験の記憶は鮮明に残っていたりします。ならば、いつか忘れてしまう記憶があるかもしれないけど、ふと思い出す記憶があった時は幸せな気持ちになって欲しいと考えるようになりました。当たり前だったことへの感謝の想い、確かに母が頑張ってきた証をこの本に残すことで、自分を誇りに思う感情を思い出すきっかけになって欲しいと願っています。
米山 千尋【コース奨励賞】
情報デザインコース
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