HB | Hidden Beauty #1 #2 #3
写真コース 松本 芳明
シルク布へのインクジェットプリント
重力・風など自然環境に従い展示
現在、雑草と呼ばれる植物の多くは、明治以降も薬用・観賞用・飼料用・緩衝材用など、人間にとって有用な植物として利用されてきた歴史をもつ。しかし現代では野生化した“不用の植物”として扱われ、個々の名称も記憶されず、「雑草」と呼ばれるようになった。人の手を離れた雑草は、子孫を残すために迷いのない戦略で環境の激変に適応し続けている。
写真は変化する雑草の連続から切り取られた一瞬である。流動する存在を一度静止させることで、普段は意識されない形態や構造を可視化する。その固定された像を、布という可変的な支持体に移行することで、再び時間性を含んだ表現へと写真を変換する。
雑草の不可視化された美しさを、紙という平面から解放し、「繊維をほぐして接着する」紙ではなく、「糸として織る」布によって表現した。布は柔軟性・伸縮性を持ち、紙よりも肌に近い温度感と質感を持つため、鑑賞者の身体感覚を引き出す。糸同士を接着しない布という形態は、人間社会と一定の距離を保ちながら共生する雑草の姿を象徴している。自然環境下に置かれた作品は風・光・雨・重力といった外的条件によって形を変える。静止した写真プリントでは捉えきれない、「生きている」かのような変化を生む。
HB #1 | Hidden Beauty
HB #2| Hidden Beauty
HB #3| Hidden Beauty
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