Abstructure
写真コース 渡辺 正宏 (WATANABE Masahiro)
作品点数: 30点
印刷: ピグメントプリント(インクジェット)
作品用紙サイズ: 12 x 12 インチ
イメージサイズ: 10.5 x 10.5 インチ
「Abstructure」は、AbstractとStructureを組み合わせた造語である。本作は、都市の建築物から抽象的なイメージを切り取る制作である。
階段、柱、フェンスなどの日常的な建築要素を、狭い画角や圧縮効果によって平面的に切り取り、用途や場所といった文脈から切り離す。モノクロームとすることで色彩の情報も排除し、線と面、光と影の関係をより純粋に抽出している。
画像生成AIが任意の美しいイメージを作り出せる現在において、あえて現実の建築物を撮影し、完全には整わない光の加減や素材の経年変化など、現実に由来する手触りを残している。こうして建築物の構造は、具体的にそこにある「もの」から離れながらも、現実とのつながりを保った形態と光の関係として画面上に現れる。
抽象化に伴い、奥行きの消失や方向性の揺らぎが生じることで、上下や重力の感覚が不安定になる視覚体験が立ち上がる。その揺らぎは、見慣れた都市の構造物に潜む美を捉え直す契機となる。
本シリーズは30点から成り、線、面、質感、リズム、曲線といった視覚要素とその組み合わせにより構成される。建築という具体を媒介に、視覚そのものの再構成を試みる作品である。
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