
デザイン科 - ランドスケープデザインコース
山西航【学長奨励賞】
Bota Park ~植物の不思議な変化を展示した新しい植物園の姿~
東京にある世界に誇るBotanical garden ― "TOKYO BOTA"
植物の環境適応力が魅せる不思議な変化を展示し、自然環境への市民意識を高める新しい植物園の姿
植物の不思議の一つは「変化」にあると考える。その種の生存戦略が垣間見える植生遷移や、海水への適応を選んだ塩生植物、人の影響を受ける人里の植物など「変化」に触れられる世界に類を見ない植物園の新しい姿を提案する
環境の変化と時間の経過・人との関わり・気候・日照・pH......違いが生む変化は植物の魅力を表現できる展示方法である
エリア1 緑の都市
都市空間のコンクリートの隙間ににしたたかに生きる植物と人に管理された園芸植物との
都市空間の混沌とした植生を表現
エリア2 遷移の森
時間の経過による植物の変化として植生遷移を展示する
裸地からスタートし、一年生の草本類が土を覆い、3-5年で陽樹が芽生え始め、5-10年で陰樹が発生していく
周囲を城壁のような園路で囲い、来場者は中に入れない人の手が触れない環境を作り出す
エリア3 土壌の丘
土壌の質は肥沃さとPH値、保水力などが植物にどのような影響を及ぼすのか実験的な試みを行う
粘土模型からの3Dスキャンによる地形と表土模様の設計を行う
エリア4 再生の浜
潮水に適応した植物種 ほかの植物たちが入り込まない環境に適応する独自の進化を遂げ、適応・変化を選んだ種を展示
京浜運河の干満差を利用した変化に富む環境
エリア5 亜熱帯の温室
潮と水と気温とに適応したマングローブの生態を展示
ごみ焼却場から出る廃熱を有効的に利用し、京浜運河の潮水を加温することで、東京でのマングローブ生育を可能とする
エリア6 半自然の草原
日本の気候では草原はやがて森へと遷移する
日本で目にする草原は人間の影響のもとに成り立っている半自然的な草原である
刈入れの頻度をコントロールするによってススキ草原、チガヤ草原、シバ草原と3つの変化をつける
エリア7 進化の森
種の進化も時系列が万年・億年の単位で起きる植物の環境への対応・変化のひとつである
植物種の進化を時系列に植栽し、進化の過程を追体験することを可能とする