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ありふれた「読書」という日常行為から、 より生活が豊かに感じられる「新しい読書体験」の提案

デザイン科 - 空間演出デザインコース

高橋 幸枝

&b (アンビ) And books, into your life.

紙本は内容に合わせて拘った、装幀・用紙・色彩・文字デザインが施されています。読者のあらゆる感覚に向けて訴えかけてくる仕掛けが満載なのです。五感を使う読書は、独自の解釈を楽しむ中で知らず知らずのうちに感性や想像力を豊かにしていくのです。

匂いから、過去の記憶や当時の感情を思い出すという経験はありませんか。フランス作家のマルセル・プルーストの著作「失われた時を求めて」の中で、紅茶にマドレーヌを浸した匂いで幼い頃を思い出すという一節から、匂いで記憶や感情が蘇る働きのことを「プルースト効果」と名付けられたのです。

自宅という場所において、心地よい読書空間を目指す事で、より質の良い読書や楽しみにすること、習慣化していくことに繋がるのではないかと考えます。

香りは記憶と密接な関係があり、無意識に出来事や周辺の情報と一緒に記憶に刻まれます。学習での活用、成功体験のイメージを持つなど、香りが感覚にもたらす効果を活用します。「プルースト効果」を読書に取り入れる、読書と香りのペアリングを、新しい読書スタイルとしてご提案いたします。

必要な時に、必要なだけ − 香りのディスポーザブル体験をご提案します。ブックマークを読書中にムエットとして、香りが表裏両面から芳香するようにスタンドに挿して使用します。常に香り続ける物は、本のイメージに香りが合わない時は、ムエットを本に戻さずに捨てることで空間も気持ちも切り替えられます。

読書は1人で行う行為です。誰かに本を送るとき、しおりとして利用できるメッセージカードを添えることによって、贈られた人の読書は2人の読書になるという、1冊の本を通して、心を通わせる体験を提案いたします。本を送るときに、ムエットに香り塗布して花束を送るように添えてみませんか。

読み終えた本のブックマークを本の記録と共にコラージュする。本の感想、心に残ったセンテンス、利用した香り、読書した場所、自分の気持ちなど、読書にまつわる記録を書きためることで、自分の物語が出来上がるように綴っていくことができます。

色々なシーンや用途に合わせて形を変えて、いつでもそばに置きたいVersatile Carrying Chairです。 使い込むことで、読書家のパートナーとなるアイテムは、折り畳めば画材カバンのようにコンパクトでアートな形状で持ち運べます。

  • 京都芸術大学 通信教育部