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デザイン科 - 空間演出デザインコース

松田 佳子

Totteoki布ラッピング 〜こころをつなぐ、リユースできるほっこりラッピング〜


なにげなくお店屋さんを見ていると、思い浮かんでくる大切な人の顔…
あの人にこれをあげたら喜んでくれそうだな、そんな気持ちになったとき、私はふと、その温かさが手作りをしているときの気持ちと似ていることに気づきました。

もともとは、自身と縁のある手作り(ハンドメイド)の文化を卒業制作のテーマとして考えていましたが、この瞬間から、手作りとプレゼント、その両者をつなぐような制作がしたいと思うようになりました。


そしてラッピングについて調べる中で、現代の主流となっている包装紙によるラッピングは、20世紀の初めにアメリカで始まった文化で、ここ最近では大量のゴミとなる包装紙(とくにクリスマスラッピング)が、環境問題のひとつとして着目されていると知りました。

その解決策のひとつとして、布で包むラッピングがあり、世界の中でもとくに日本のふろしきやふくさは、贈り物を包む用途として発達しているということが分かりました。


それらをふまえて今回のテーマを「新しいラッピングのかたち、地球や人と心の通いあう贈りもの」としました。
そのため、布を使うというところは日本古来の文化にヒントを得つつ、現代らしさと私らしさも活かした包み方を新しく考案してみました。

一般的には包みを開けたら不要となるラッピングですが、そこにとっておきのまごころを込める(手作り、楽しいかたちにする)ことで、プレゼントをきっかけとした温かな交流がより深まっていくことを願っています。


オンラインカタログ

Totteoki布ラッピングって?

今回使用した素材は、木綿のシングルガーゼが最も多いですが、さらに日本の地域で作られた綿織物を調べる中で、手ぬぐい用の布や、三河縞や伊勢木綿といった特産品、だしをこすための寒冷紗と呼ばれる布を用いた包みもできました。

これらの包み布は、布を2重にぬい合わせ、袷(あわせ)と呼ばれるふくさのような形状になっています。包みを開けた後はお手拭きのような使い方もできるように、シンプルな形を心がけました。

包み紙と同様の「折る」という動作を基本に、さらに「入れ込む」「ぬい留める」「レース糸を通す」「アイロンをかける」といった、あわせの包み布ならではの繊細な包み方を提案しています。

さらにこれらの作品が1冊のカタログになりました。33種類の包みの紹介と包み方の手順を載せています。オンラインカタログもありますので、よかったらご覧になってみてくださいね。

包み布とミニリーフレットを組み合わせた、ラッピングキットもできました。結んでいるリボンは包むときの材料でもあり、最小限のエコパッケージを目指しました。初めての方でもお気軽にチャレンジしてみてくださいね。またプレゼントといっしょにリーフレットを渡したら、もらった人も再び包むことができますよ♪

  • 京都芸術大学 通信教育部