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デジタル/インクジェットプリント

美術科 - 写真コース

廣瀬 和弘

transition - 記憶のめじるし -

川原で偶然見つけた丸石。あまりにも丸い石を見つけた私は何かいいことがあると勝手に思い込み、それを家に持ち帰ったのである。そう言えば家の近くに誰が置いたのか分からない丸石がある。その丸石は小正月にしめ縄を巡らされ気品高く振る舞っている。人々の日常にすっかり居着いてしまった丸石。そこは紛れもない丸石の居場所である。街並みや人々の日常は絶えず流れ続けているが丸石だけは日常と言う川底に今もじっとたたずんでいる。私は丸石の居場所を訪ね歩きながら街並みの移ろいを自身の記憶と照らし合わせていた。

  • 京都芸術大学 通信教育部