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2021年度卒業・修了制作展に寄せて

京都芸術大学通信教育部、大学院修士課程をご卒業、ご修了の皆さま、おめでとうございます。

未曾有のパンデミックがなかなか収束せず、私たちの生活にも大きな変化が生まれました。「だれでも、いつでも、どこでも学べること」が魅力の通信教育課程でも、京都や東京でのスクーリングが思うように実施できなくなり、皆さんも卒業・修了制作や論文の執筆に苦心することの多い日々だったのではないかと思います。そうした困難を見事に乗り超えて卒業、修了の日を迎え、2021年度の卒業・修了制作展が開催できますことを大変うれしく思っています。2年以上という長い年月にわたる皆さんの努力は、これからの人生に大きな力になることと確信しています。

「一度も会ったことのない仲間とSNSで情報交換して、励まし合って乗り切ることができました」「対面で会えなくても、先生がたやクラスメートと強い絆が生まれると実感できたのがうれしかった」「いつも友人と行っていた散歩がてらのスケッチにひとりで行くようになりました。自然と向き合う眼がちょっと変わったように感じています」。
1998年、日本で初めて誕生した通信制芸術大学で芸術教育に携わる私たちは、今年度の卒業作品を仕上げる過程で皆さんひとりひとりが感じたこうした思いや経験をしっかりと共有して、これからの通信教育の中に活かしていきたいと思います。

これまで皆さんを指導した先生がたと皆さんとのつながりは、切れることはありません。通信教育課程の収穫祭、卒業生・修了生全国公募展、airUコミュニティや、通学課程と連携した同窓会へのご参加も、お待ちしています。芸術の未来、芸術教育の未来について、皆さんの期待や希望をぜひお聞かせいただきたいと思います。

皆さんが、本学通信教育課程での学んだこと、身につけたことを糧にご自身のライフワークとなる目標に向かってこれからも歩み続けていただくことを願っています。

改めて、京都芸術大学通信教育課程のご卒業、ご修了を、心からお祝い申し上げます。

𠮷川 左紀子
京都芸術大学学長

藝術はつねに新しい

春到来です。まずはご卒業、ご修了をされるみなさま、まことにおめでとうございます。ご家族、ご友人の方々にも心から祝福の気持ちをお伝えしたいと思います。

藝術への志をもって入学された皆さんにとって、この二年間はとくに厳しい試練の月日であったものと思います。社会は新型コロナウイルスとの共存の日々に費やされ、当たり前の日常が跡形もなく消え去りました。
図書館にも通えず、キャンパスで仲間と語り合うこともできない大学生活は、本当に孤独な学びの戦いであったかもしれません。

しかし、こうして卒業・修了制作、卒業研究・学位論文をかたちにされた皆さんの挑戦と努力は、何者にも変えがたい経験であり、財産であると思います。どの作品、研究もいつにない輝きを放ち、自信に満ちあふれたものとなっています。

「藝術はつねに新しい」とは、かの岡本太郎の言葉です。岡本は藝術とは同じ形式の繰り返しから生み出されるものではなく、いまを生きる人々の「瞬間瞬間の生きがい」や「自信」から表出されるもの。それが「藝術作品」なのだと述べています。つまり、今という時代だからこそ生み出し得るものが、藝術なのです。

ウィズコロナの時代にあって、どんな新しい藝術が生み出されたのでしょうか。まずは皆さんの仲間が奮闘努力し創り上げた作品たちに向き合っていただければと思います。きっと一人ひとりの学びの営みと熱量を感じ取ることができるに違いありません。

改めて、皆さんの挑戦と逞しさに心からの拍手をお送りするとともに、くれぐれも健康に留意されて、これからの人生をさらに実り豊かなものとされますように祈念いたしております。

最後に卒業・修了制作展へご来場いただいた皆さん。我々通信教育課程の誇るこの素晴らしい成果を存分に堪能してください!

石神 裕之
京都芸術大学 通信教育部長

ヴィンテージの仕込み頃

本展には、2021年度に大学院芸術研究科修士課程芸術環境専攻を修了されるみなさんの研究・制作の成果が並んでいます。通信制の大学院ですので、院生それぞれに経歴や環境は実にさまざまです。それだけに個性的な作品群がひしめき合い、展覧会としても独特の風合いを醸し出しているのではないでしょうか。
ところで、芸術家や研究者のキャリアのなかで、学位取得の論文や作品は特別な位置があります。それは決して最高傑作でもなければ人生の集大成でもありません。カタログ・レゾネなどでは最初の方のページに記される小さな作品です。それはみずみずしい伸び盛りの作品でもあるでしょうし、あるいはまた、あとから見返すと恥ずかしい、若気の至りの作品かもしれません。そのことは、さまざまな年齢やキャリアのかたが集まる通信制の大学院でも同じです。修士課程の成果は記念すべきデビュー作です。
将来いつの日か、デビュー作は相応の年月を経て、各自の仕事歴のなかでしかるべき味わいを帯びてくることでしょう。それも楽しみです。春たけなわとなるこれからの季節、また気分をあらためて制作、研究に向けて、精進をしてまいりましょう。

上村 博
京都芸術大学 芸術研究科長(通信教育)
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