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2017.07.04

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Art-Architectureの今を考える

『辰野金吾 美術は建築に応用されざるべからず』日本建築学会著作賞受賞記念シンポジウム

2017. 07/08 (土)

13:30

17:00

13:00開場

瓜生山キャンパス 人間館3階 NA302教室

京都市左京区北白川瓜生山2-116/Tel: 075-791-9122 MAP
<※7/5と誤表記されていました。謹んで訂正いたします。>

本シンポジウムは、19世紀における建築と美術を巡る主要な概念であった「Art-Architecture(美術建築)」を、現在の視点で再考することを目的とします。

「美術建築」概念は、日本の建築家ウィリアム・バージェスから学び、日本に定着させることを意図したものでした。

このたび日本建築学会著作賞を受賞した河上眞理と清水重敦の共著『辰野金吾 美術は建築に応用されざるべからず』(ミネルヴァ書房、2015年)は、建築家辰野金吾の業績を新たな目から見直すことを意図し、「辰野金吾滞欧野帳」や「辰野金吾氏演説」といった新たな史料を見出してその生涯を見つめ直したものですが、その中で新たに見出されたのが、この「美術建築」概念です。

辰野の師であるバージェスは、建築の様式に関わる部分だけでなく、装飾の細部に至るまですべて自分でデザインし、制作に当たってはプロの美術家に依頼して実現させる、というこだわりを見せた人物で、自らをArt-Architectと呼んでいました。19世紀末という時代において、それは装飾の問題として括られるものでしたが、その根底には、建築は建築だけで意味を持つものにあらず、装飾を含む全体のデザインにおいて一体性をなす、という思想がありました。辰野はこうした建築のあり方に強い刺激を受け、日本への導入と定着を試みました。

「美術建築」の概念は、明治期の日本では強く意識されたものでしたが、モダニズムの時代を経て、乗り越えられ、あるいは忘却されていきました。しかし、今日、この概念をあらためて見つめ直してみると、今日の建築や美術を巡る状況を理解する一つの糸口となる、あるいはそこに新たな光を当てうることができるのではないか、と考えます。

「美術建築」という概念を今日に当てはめてみると、アートとしての建築、建築とアートとの共同、あるいは建築を構成する物質の側面や表層デザインの問題、という視点に拡張することが可能ではないかと考えます。

本シンポジウムでは、本書の著者に加え、アートの置かれる場を強く意識した創作を続けている画家の品川亮氏、建築におけるタイポロジーとマテリアルのあり方に新たな風を送り込んでいる建築家長谷川豪氏を迎え、両氏の創作の過程をふまえながら、「美術建築」概念の今日的な適用と拡張を試みていきたく思います。


【当日のスケジュール】

<開会挨拶>13:30-13:35
本間正人 (京都造形芸術大学副学長・創造学習センター長)

<趣旨説明>13:35-13:45
清水重敦(建築史家、京都工芸繊維大学教授)

<講演1>13:45-14:15
辰野金吾と「美術建築」  河上眞理(美術史家、京都造形芸術大学准教授)

<講演2>14:15-14:45
箔を使った絵画表現と設置空間について  品川 亮(画家)

<講演3>14:45-15:15
建築の大きさ・重さ・古さ  長谷川 豪(建築家)

<休憩>15:15-15:30

<会場からの質疑>15:30-16:00
司会 本間正人

<討論>16:00-16:55
司会 清水重敦

<閉会挨拶>16:55-17:00
佐藤博一(京都造形芸術大学大学院芸術研究科長)
費用 入場無料
定員 150姪
申込方法 事前申込不要・当日先着順
主催 京都造形芸術大学大学院芸術研究科
お問合せ 京都造形芸術大学 075-791-9122(代)
URL http://www.kyoto-art.ac.jp/graduate/
関連卒業生 品川 亮
関連教員 河上眞理(創造学習センター准教授)
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