副学長 - 大野木 啓人

そもそも芸術教育とは「人間づくり」だと私は思っています。

がむしゃらに右肩あがりの経済成長を追求してきた20世紀後半とは異なり、先行きが不透明で、混迷が続く現代においてこそ、社会の変化に柔軟に対応し、将来を見据えた哲学と行動力、表現力を備えた若者の輩出が、今の社会で最も必要とされる人材であると思います。

この大学では、若い学生のそれまでの既成概念をもう一度見直し、チームワークに潜在する無限の可能性を知る「マンデープロジェクト」や、大学が社会から受託する年間40件もの実社会プロジェクトを通じて世間で通用する人材育成を目指す「リアルワークプロジェクト」、最前線で活躍するアーティストの制作現場を共有することができる「ウルトラファクトリー」、インターンシップやキャリア支援授業などからなる「キャリアデザインプログラム」など、コラボレーションやコミュニケーションといった社会で生きていくための指針を芸術という最も解りやすい独自の方法で取り組んでいます。

それらが功を奏し、芸大系の就職率はトップクラスですし、近年、卒業生たちが各界で芸術系大学の中で群を抜く活躍を見せています。

今後も、現状に甘んじることなく、学生ひとりひとりに合わせた緻密できめ細かい指導を、従来型の教育法ではないかたちで進めてゆきます。それは個々が活き活き個性を持つためにどうしても必要なのです。

わが愛すべき学生たちには、この大学で高い理念、「京都文藝復興」「藝術立国」等を繰り返し伝えます。そうすることによって人間力を高め、社会の現実から正しい道を見極め、新たな自己の修練に果敢に挑戦してくれること信じるからです。私たちは骨身を削ってでも、そういった君たちを応援して行く覚悟ができています。

副学長 大野木 啓人

副学長

大野木 啓人

京都市立芸術大学彫刻科卒業。1967年から個展、公募展、グループ展で彫刻作品を発表。1972年からディスプレイの仕事を中心に立体造形を担当。1983年三宅一生『ボディワークス』で人形製作を担当。以降、ファッションデザイナーと組み、多くの新しいマネキンを発表。主な参加作品として三宅一生『ハート展』、『AUN展』、毛利臣男『毛利の服』、川久保玲『THREE WOMAN展』など。また、国立民族学博物館『赤道アフリカの仮面展』、『ラテンアフリカの音楽と楽器展』や『KENZO展』、『現代のジャワ更紗展』など、美術館の企画展でアートディレクションや会場構成なども手がける。産学連携では、二条城ライトアップ、松江武者行列他、多数のプロジェクトに取り組んでいる。常に「人に優しい空間とは何か」をテーマに、その活動範囲を広げている。

副学長 - 小山 薫堂

京都に京都造形芸術大学があって良かった・・・

一人でも多くの人にそう言わせたいと強く思いながら私は着任しました。

京都造形芸術大学の姉妹校である東北芸術工科大学のデザイン工学部内に企画構想学科が新設されたのは2009年。私はその初代学科長として教鞭を執ってきました。学生たちに教えてきたのは「企画」という学問。企画とは解決する知恵であり、価値を生み出す計画です。芸術とデザインの境界線が曖昧になっている今だからこそ、芸術にも企画の力が必要だと痛感しています。

優れた芸術性によって生み落とされた作品は、どんな形で誰と出会い、どう扱われるか、によってその価値を大きく変えます。作品にとっての最良の出会いを創造することこそ、企画の真骨頂でもあります。

本学の学生たちの才能を開花させるため、どんな機会を創出し、どんなゴールを目指せば良いのか?自分のネットワークと企画力をつなぎ合わせ、“学生にとっての利”を最大化することが、社会連携担当副学長としての私の使命です。

幸いにも、京都造形芸術大学には二つの強みがあります。まず、各ジャンルの第一線で現役として活躍している教授陣です。彼らの人生を特等席で見つめ、たくさんの刺激を受けながら自らの創造性を磨くことができる本学の学生たちは本当に幸せです。

そしてもう一つの強みは、京都に存在しているということ。当たり前のように聞こえますが、この価値を忘れてはいけません。世界的視野に立って見つめれば、京都という都市は、東京以上に日本を印象づける強いブランド力を持っています。しかも京都市は、人口の10人に1人が大学生というまさに学生の街。さらに文化庁の移転も決まり、これほど文化芸術の学びにふさわしい地はありません。

素晴らしい教授陣と千年の都・京都のブランド力・・・どちらにも強力な「磁力」があります。事象を誘い、人を引き寄せ、注目を集める、という磁力です。本学の磁力が導く無数のチャンスに、まず学生たちは気づくべきです。そして圧倒的努力によってそれを生かすのです。

センスは知識と経験を重ねることで作られてゆきます。そしてそれが作品の魂となります。あらゆる方法で最良の環境を整え、学生たちのセンスと魂を磨いてみせます。  本学には、学生たちの芸術的創造力と人間力によって、社会を少しでも良くしたいという揺るぎなき理念があります。京都造形芸術大学で生み出されてゆく作品、そして人間が、京都の価値向上、ひいてはこの国の輝かしい未来につながるであろうことを私は信じています。

副学長 小山 薫堂

副学長

小山 薫堂

日本大学藝術学部在学中に放送作家として活動を開始し、数多くの番組を企画・構成。『料理の鉄人』『トリセツ』では、国際エミー賞を受賞。さらに脚本を手掛けた映画『おくりびと』で2009年に第81回米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、国内外で高い評価を受けた。エッセイ連載、作詞など幅広く活動する他、下鴨茶寮主人、京都館館長、経済産業省「JAPAN DAY PROJECT」総合プロデューサー、文化庁「日本遺産審査委員会」委員など、多くの政府・地域・企業のアドバイザー等を務める。また熊本県地域プロジェクトアドバイザーを務め、人気キャラクターくまモンの生みの親でもある。さらに、2009年4月から2017年3月まで東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科長を務めた。

副学長 - 本間 正人

21世紀の大学の最先端モデルに

私は「教育学」を超える「学習学」を提唱しています。

大学の役割は「最終学歴」を与えることではなく、一生学び続けていく力を育み、「最新学習歴」を更新し続ける基礎を築くところにあります。社会が激変する時代に「学び止め」なんてありえません。現在の大学生が社会で活躍していく今後数十年を展望すると「安定した職業」は存在しないのです。時代の変化を先取りし、自らの強みを活かしていく創造力と人間力こそが大切なのです。

知識を与える旧来型の授業は、今、急速にEラーニングにとって代わられています。ですから、キャンパスを持つ通学部の課程は、スマホやタブレットでは実現できない学びを提供しなければ存在意義を失います。

近年「アクティブ・ラーニング(AL) = 体験型学習」という言葉が注目され、学習指導要領の中にも位置づけられました。人はそもそも「アクティブラーナー(自ら主体的に学ぶ存在)」であり、この事実に気づくこと、再発見することがALの目的です。京都造形芸術大学は、マンデイプロジェクトやねぶた、各専門学科での制作活動など、開学当初からこの分野のパイオニアとして、ノウハウの蓄積を行なってきました。だからこそ、作家として活躍する在学生も増え、卒業生を採用した企業や組織から「京造の学生は使える」というご評価をいただいているのだと思います。

また、本学はFD活動(教員の教育力向上)に関しても、不断の努力を行なっています。良い教育者の条件は、まず、一人の学習者としてお手本であることだと考えます。おそらく個別面談の指導にかけても、本学は国内有数の水準にあることは間違いありません。
論語の冒頭には「学ぶことはうれしい、友との出会いは楽しい」と書かれています。大学は、まさに、一人ひとりの学生が、教職員や同級生、先輩後輩、また、プロジェクトなどで出会う社会人などとの交流を通じて、自分の可能性を発見し、未来を開拓していく力を養うところなのです。

私は京都造形芸術大学の取組みが、21世紀の高等教育の新しい形を示すモデルとして、日本じゅうに、そして世界に広がっていくと信じています。

副学長 本間 正人

副学長

本間 正人

1959年東京都生まれ。「楽しくて、即、役に立つ」参加型企業研修の講師としてアクティブ・ラーニングを25年以上実践し、「研修講師塾」を主宰する。NPO学習学協会代表理事、NPOハロードリーム実行委員会理事。東京大学文学部社会学科卒業、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)。ミネソタ州政府貿易局、松下政経塾研究主担当、NHK教育テレビでビジネス英語の講師などを歴任。コーチングやポジティブ組織開発、ほめ言葉、英語学習法などの著書60冊以上。

卒業制作・卒業論文データーベース

京都造形芸術大学 創立者 徳山詳直の思い出・エピソード