- 2016年3月15日
- 日常風景
【染テキ】みのうらさんの友禅レポート
こんにちは。卒業展も無事に終わり、4年生のみんなは卒業式の1日だけとなりました。
あぁ。寂しいですね。
いろいろと写真を見ていた時に、
ふっと。
あ!みのうらさん(3年生)が友禅研修に行った時のレポートがあった!ことを思いだしました。
是非、皆さんにご紹介したいと思います。
それでは、みのうらさん、よろしくです。
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染織テキスタイルコース3年箕浦です。
私は昨年の10月から12月の約3ヶ月間、
京都市産業技術研究所がやっている京友禅(手描き)技術研修の基礎コースに参加してきました。
この基礎コースは京友禅の流れを知る、ということで教材を用いながら一連の工程を職人さん指導の元、
ざっと一通り教えていただきました。
友禅染は完成までに幾つかの工程に分かれており、京都は各工程が分業されています。ざっくり流れを言うと、
下絵→糸目糊置き→伏せ糊置き→色引染→蒸し・水元→挿し友禅→金彩→完成
という感じです。今回は職人さんが考えたデザインを元に38㎝×90㎝の裂作品を制作しました。
まず最初に見本を元に白生地に筆で写し取っていきます。
花びらの柔らかさや草のシャープさを意識しながら描いていくと良い、とアドバイスを受けながら進めていきました。
写し終わったらゴム糊を用いて輪郭線(糸目)を引いていきます。この糸目糊の工程が研修の中で一番難しいと感じました。
手に力が入ってしまって均一で真っ直ぐな線を引くのが本当に難しい・・・!
伏せ糊をした後に、引染で先に背景を染めていきます。
この時は堤染工さんへ研修生皆で行き染めました。
蒸して色を定着した後に余分な糊を洗い落とします。
写真はないですが、蒸し・水元の工程を丸京染色さんへ行き見学させてもらいました。
色挿しの工程です。まず染料と胡粉の白を使って見本を元に色を合わせてから染めていきます。
真っ白の布に色が入るのがとても楽しかったです。特にぼかし(グラデーション)が綺麗に出来た時は嬉しかったです。
最後に金彩の工程です。
必要のない場所に金が付かないよう保護シートを貼ってから金箔を貼っていきます・金箔は薄くてとてもデリケート。
少しの風でも飛ばされてしまうので細心の注意が必要です。
こちらが完成作品です。完成した姿を見るとやはり出来たという達成感やもっとやりたいという気持ちが出てきました。
そして何より一つの作品が完成するのに手間や時間がかかることを身を持って実感しました。友禅染の着物が高いのがよく分かります・・・!
今回参加した研修で多くの職人さんが言っておられた「モチーフの質感や画面の強弱のバランスが大切。」という言葉が印象に残っています。この言葉を意識しつつ、今後の制作にも活かしていきたいです。
この友禅研修は将来の後継者を育てる、という目的もあります。もし興味がある、将来やっていきたい、そんな方がいれば毎年やっているので是非参加してみてください。
ありがとうございました。