やなぎみわさんの作品に惹かれて、台湾から京都に来ました。先生の演劇プロジェクトに参加し、小道具のデザインなどを手がける一方で、理論的なことも深めたいと考え、大学院に進みました。本学は現代美術に強いうえ、「現場」の多い大学です。世界レベルのアーティストが、いかに周りを巻き込み、作品をつくり上げていくか。自己を貫き通していく尋常ではないエネルギーを見せつけられました。私自身も他者に囚われることなく、自由な2年間を過ごしてきました。他人の答えは、自分の答えではありません。その意識が無ければ、学部5年生、6年生になってしまいます。毎日研究室に座って考えることそのものも、私の作品でした。生/死、精神/肉体といった二元論ではなく、そのどちらでもない状態、真ん中の答えというものを探したい。今も、死とその周辺にあるものを見つめ続けています。
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許 品祥キョ・ヒンショウ
美術工芸領域 2016年度修了
台湾出身。大学で舞台美術を専攻し、ステージデザイナーを経て京都へ。やなぎみわの演劇プロジェクトに参加。生と死の間の曖昧な状態を現出させる「半死半生-写真シリーズ」を修了展で発表し、同年、東京での個展も開催。現在は、台湾で音楽・写真の仕事をしながら次作の制作に取り組む。
プロフィールはインタビュー時の経歴となります。
芸術実践領域 CONTEMPORARY ART PRACTICE

アーティストとしての
確実なキャリアを
実現するため
の実践的プログラム
本領域では、世界で活躍できるアーティストやプロフェッショナルの輩出を目指しています。そのために、必要な専門的スキルを高めるとともに、自己の作品や立ち位置を客観的に見つめる視点や、作品を言語化し伝える力を実践的に養います。
選抜された、異なるメディアを扱うアーティストたちがひしめき合う国際的な環境で、違いを豊かさと捉え、多様な人々とつながりながら、新たな表現を生み出す力を育み、コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力を育成します。


