なぜ、イラストレーションが好きなのだろう。自分の中に湧き起こった疑問と向き合うために大学院に進み、イラストと自分、イラストと社会の関わりを見つめてきました。実際の仕事も、経験しました。印象的だったのは、生まれ育った長崎の企業から、新しくできる施設に向けて絵を頼まれたことです。10数点ものイラストを額装して展示する、初めての大きな仕事。先生方の手厚い支えが力になりました。私が研究したい内容と展示の内容が乖離しないように、言葉による整理を手助けしてくれたうえ、仕事を全うできるように、電話やメール、領収書などの実務面までサポートしていただきました。描き上げたのは、ただ空間に飾る絵ではなく、コンテクストを共有できる鑑賞者にとっては挿絵として機能し、長崎の情景を感じてもらえる絵。描いたものが人にどう届くか。その大切さを学んだ2年間でした。
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中島 佳那子
デザイン領域 2015年度修了
長崎県で幼少期を過ごし、子どものころから絵を描き始める。本学情報デザイン学科イラストレーションコース卒業。現在は、京都市内のデザイン事務所に就職し、ブックデザインの仕事に携わる。将来的にはイラストを描く仕事を増やしていくことを目標に、勉強を続ける日々。
プロフィールはインタビュー時の経歴となります。
イラストレーション・
パブリッシング
デザイン領域
ILLUSTRATION AND PUBLISHING
DESIGN FIELD

デジタルとフィジカルを駆使し、
商業作品から自己表現まで
「絵」の可能性を探究
伝えたいメッセージを絵にすることは、自己や他者への理解を促し、あらゆるコミュニケーションを明らかにすることです。本領域では、古今東西のアートおよびデザインの歴史や理論を見つめ直すとともに、デジタル(情報)とフィジカル(身体)の経験をともなう学びを組み合わせ、自身の専門性を確立していきます。情報化された世界で機能する「絵」として、あるいは個人的な思想を表現した「絵」による、人間性あふれるイラストレーションを追求いたします。
