受講生のみなさま、この科目では芸術教養演習1と並んで、本科目も研究発表とディスカッションが行われます。
演習1と違うのは、芸術やデザインに今、何ができるのか、という側面が強くなる点です。
もちろん、授業課題として何らかの提案をしたとしても、机上の空論となるものも多いでしょう。地域文化の問題を解決するためには、法制度の知識や経営的な観点なくしては不可能な場合がほとんどです。しかし他方で、それらだけで優れた文化や芸術、また住むに値する生活環境が実現するものではありません。空論を恐れず、ただしできるだけ根拠を踏まえつつ、今日の制作活動としてありうるものを構想してください。
制作と書きましたが、もちろんそれは絵画制作やピアノ演奏などを指してはいません。むしろモノや情報をどう見せるのか、場や出来事をどのように構成するのか、といった活動です。そしてそれこそ古来芸術家やデザイナーが苦心してきたことでもあります。みなさんの積極的な発言を楽しみにしております。