京都芸術大学 通信教育部

芸術教養講義1

芸術活動の今を端的に示すデザインのありかたとその基本的な思考法を学びます。

はじめに - シラバス -

担当教員からのメッセージ

こんにちは!この科目を担当する早川克美です。
この講義では、デザインを幅広い概念として学んでいただくために、前半は思考理論を、後半では様々に活躍する新しいタイプの専門家をゲストにお迎えしインタビューを混じえた事例考察を行ないます。
特に前半は、専門用語も出てきて難しく感じるかもしれません。わからないことは都度都度webや本で調べて次に進める癖を身につけてください。前半の学習深度によって後半の理解が格段に違ったものになります。さあ、新しいデザインの世界に出発しましょう。

  • 授業概要 <今日におけるデザインの方法論を学ぶ>
    この講義は、生活者の視点で、社会や生活におけるデザインへのまなざしを深めていくことを目的としています。◯◯デザイナーといった職能で分けられたデザインではなく、生活者にとってのデザインとはどのようにあるべきかを考えていくものです。前半では、今日の主流となっているデザイン論として「人間中心デザイン」と「デザイン中心デザイン」の2つを取り上げて学びます。後半では、領域を横断して活動する実践者の事例から、芸術やデザインによって生活環境を見直す知恵を考察していきます。
    またこの授業は、芸術教養講義2~5の概論的位置づけを持っています。
    授業目標 この講義の目標は「デザインにおける思考と実践についての学習と考察」です。
    デザインは生活の中に埋め込まれた意味であり技術や知恵です。デザインは身のまわりの環境を作り替える術、与えられた人間の条件のなかで、いかに良く生きるかを探る術ともとらえることができるでしょう。 問題を発見、課題として精査し、最終的に目に見えるかたちや行為に、意味を与えて整えることがデザインであると私は考えています。
    それはプロのデザイナーだけの専有物ではなく、すべての人が持ち得る能力なのだと思います。デザインへの先入観を捨てて、講義に参加し、多くのことに疑問を持ち、ボーダレスなデザインの世界を発見してください。
    授業の流れ ・1章 デザインとは何か?
    ・2章 ユーザー中心主義 — 人間を中心にすえたデザイン思考
    ・3章 観察から生まれるデザイン  その1
    ・4章 観察から生まれるデザイン  その2
    ・5章 デザイン主導主義 — 未来を創り出すデザイン
    ・6章 デザインという思考 — 未来の豊かさのために
    ・7章 変化するデザインの領域
    ・8章 行為から場を生み出す ― 建築家・谷尻誠
    ・9章 気配を創造する ― 音のコンサルタント・石田康二
    ・10章 地域とつながる ― デザインディレクター・平野湟太郎
    ・11章 街と人とのコミュニケーション ― キュレーター・岡田勉
    ・12章 他者との関係をデザインする ― プランナー・松田朋春
    ・13章 進化するものづくりのデザイン ― デザインエンジニア・田川欣哉
    ・14章 おもてなしのデザイン ― 料理人・中東久人
    ・15章 私たちのデザイン
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