京都芸術大学 通信教育部

芸術教養講義3

空間から日本の文化の本質を考え、理解するための授業です。

はじめに - シラバス -

担当教員からのメッセージ

この授業は、日本の空間を考えるための15の対の言葉で構成されています。
どのような分野にも対の概念というものがあります。私たちは日々、複雑な現象の中に暮らしていますが、こうした明確な評価の軸があることで、空間に対する理解が深まることでしょう。そして、こうした15の対の言葉は、単なる対立軸ではなく、その組み合せの中から新たな価値観を見出す手がかりとなることでしょう。皆様が日本の空間をより深く理解して頂けるように、と願っています。

  • 授業概要 <空間のデザインを学ぶ>
    この講義の目的は、空間のデザインのノウハウのようなものを教えることではありません。むしろ、「日本の空間の本質とは何か」について考察することを目的としています。
    現代日本の空間について考えるにあたり、西洋の建物だけを見るのではなく、日本の歴史だけをふりかえるのでもありません。むしろ、日本の空間を理解するための15の対の概念によって概説していきます。
    そして「今=ここに生きる」私たちがもう一度自覚しなくてはならない「空間における日本」とは何か?を考えていくものです。
    授業目標 15の対の言葉で構成された各章の事象から、空間を感じ取る「見方」を獲得することを目指します。
    授業の流れ ・1章 軸線と迷宮 / 厳島神社と伊勢神宮
    ・2章 加法と乗法 / 砺波平野と竹富島
    ・3章 抽象と感情 / パルテノン神殿とノートル・ダム大聖堂
    ・4章 明示と重層 / 江川家住宅と閑谷学校
    ・5章 解釈と手法 / テンピエットとラウレンツィアーナ図書館
    ・6章 連動と受容 / 釜無川と四万十川
    ・7章 社会と個人 / 二条城二の丸御殿と臥龍山荘
    ・8章 伏臥と屹立 / 小屋平ダムと黒部ダム
    ・9章 未来と芸術 / ウィーン郵便貯金局とシュレーダー邸
    ・10章 技術と都市 / 熊本県立美術館と広島ピースセンター
    ・11章 保存と生業 / 内子と宇治
    ・12章 様式と機能 / 中央停車場と復興小学校
    ・13章 構築と出現 / 東大寺南大門と大谷石地下採掘場跡
    ・14章 瞬間と永遠 / 法隆寺西院伽藍と三仏寺投入堂
    ・15章 求心と遠心 / セイナッツァロ村役場と軽井沢の山荘
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