授業概要 | <蒐集、展示、制作の伝統文化> この講義では伝統的な文物がどのように継承されてきたのかを学びます。 文物のコレクションの画期は大きく分けて三つあります。まず中国の歴代王朝において皇帝・文人がスポンサーとして制作・蒐集した書画・文物に注目します。続いて、それらのコレクションである「唐物」が日本にも輸入され、室町後期から織豊期に掛けて足利義政や織田信長によって評価の再編成が行なわれます。「唐物」に対して、「楽焼き」など日本での独自の美意識がどのように成立したのかを考えます。そして明治維新を経て為政者の転換が行なわれ、文物のスポンサーの再編成が行なわれます。新たなスポンサーとなった財閥の文人たちが、どのような意図を持ってコレクションをして行ったのかを考えてみたいと思います。 | ||
---|---|---|---|
授業目標 | 芸術教養講義9では、歴史的なコレクションの蒐集の流れを理解することが主目的です。 今日、我々が見ることができる、国宝といった宝物が、どのような意図をもって制作され、蒐集されたのか。歴代の審美眼を学びつつ、文物のもつ美しさについて理解を深めることが目標です。 | ||
授業の流れ |
・1章 中国美術の最高峰 - 北宋の美術 ・2章 風流天子徽宗 ・3章 花鳥画の読み解き方 ・4章 明代の美術 ・5章 書画の商品化 ・6章 茶の湯と茶道具 - 1300年のあゆみ ・7章 唐物コレクションの基準 - 『君台観左右帳記』の世界 ・8章 名物茶器の誕生 - 織田信長のコレクション ・9章 唐物から和物へ - 千利休の登場と豊臣秀吉のコレクション ・10章 和物の多様化とその展開 - 武家茶人の登場から不昧コレクションまで ・11章 廃仏毀釈と文化財保護 ・12章 博物館・美術館の登場 ・13章 名家のコレクションの散逸と保存 ・14章 新興コレクターの蒐集活動 ・15章 戦後の動向 |