京都芸術大学 通信教育部

芸術史講義(アジア)2

朝鮮半島、西アジア、中央アジア、インドなどアジア各地の芸術史を学びます。

はじめに - シラバス -

担当教員からのメッセージ

みなさん、はじめまして。科目担当の金子典正です。
この科目では朝鮮半島、西アジア、中央アジア、インド、東南アジアの造形芸術の流れを学びます。それぞれ各地域の歴史や伝統にもとづく独自の芸術に加えて、儒教や仏教またはイスラム経といった様々な教学や宗教にもとづく芸術も取りあげます。日本や中国の美術を理解するうえでも大切ですので、好奇心を持って広がりのあるアジア芸術の世界を楽しんでください。

  • 授業概要 朝鮮半島、西アジア、中央アジア、インド、東南アジアなど、アジア各地の芸術史を幅広く体系的に学びます。
    第1章から第5章は朝鮮半島を取りあげて、古墳時代から李朝朝鮮時代までの芸術について学びます。
    第6章と第7章は西アジア各地の先史時代の芸術からはじめて、イスラームの芸術についても見ていきます。
    第8章から第10章は中央アジアと西域で栄えた遊牧民族の美術や仏教美術を中心に取りあげます。
    第11章から第14章はインドの先史時代からはじめ、アジア各地の仏教美術の源流となったインドの仏教美術の流れを取りあげ、さらに中世から近世までの芸術の歴史を詳しく見ていきます。
    そして最後の15章は東南アジアを中心に取りあげます。各章では各地域・時代の歴史的背景を述べるとともに、著名な彫刻、絵画、工芸、建築、遺跡などを取りあげて、それぞれの地域の造形芸術の流れを具体的に詳しく見ていきます。
    授業目標 この授業で取りあげるアジア各地の造形芸術は、長い歴史を振り返れば明らかなように、それぞれの地域もしくは国内で純粋に成立したものではありません。
    各時代の国際関係や交易にともなう文化の伝播や交流の歴史があり、それぞれが互いに影響し合って各地域の芸術が成立した経緯があります。それらを正確に理解することがこの授業の目標です。
    また、単に各地の作品を歴史順に並べて単に覚えるのではなく、それらの芸術を生み出した人々や社会、歴史的背景についても注目して、幅広い視点からアジアの芸術史の本質を理解するようにしましょう。
    さらに、日本美術との関係にも目を向けながら各地域の芸術の流れを考察することも大切です。
    授業の流れ ・1章 三国時代の墳墓美術-韓国古代美術の成立と展開
    ・2章 三国時代の仏教美術-仏教の伝来と古代美術の開花
    ・3章 統一新羅時代の美術-韓国古典美術の完成と地方への広がり
    ・4章 高麗時代の美術-華やかな王朝文化と浄土信仰の美術
    ・5章 朝鮮時代の美術-士大夫の文化とその理想
    ・6章 西アジアの美術-先史~ササン朝ペルシア
    ・7章 イスラームの美術-ウマイヤ朝~サファヴィー朝
    ・8章 中央アジアの美術-先史~クシャーナ朝
    ・9章 ガンダーラの仏教美術-仏像の成立と展開
    ・10章 西域美術-シルクロードの美術と仏教遺跡
    ・11章 インド美術の幕開け-インダス文明~仏教美術の成立
    ・12章 古代インドの美術Ⅰ-クシャーナ朝~グプタ朝時代の北インド
    ・13章 古代インドの美術Ⅱ-南~西インドでの展開
    ・14章 中世~近世インドの美術-ヒンドゥー教美術とイスラーム教美術の隆盛
    ・15章 スリランカ・東南アジアの美術-仏教・ヒンドゥー教美術の伝播
  • カリキュラム一覧へ