京都芸術大学 通信教育部

芸術史講義(ヨーロッパ)1

ヨーロッパの造形芸術の成立からイタリア盛期ルネサンスまでの展開を理解します。

はじめに - シラバス -

担当教員からのメッセージ

受講されるみなさま、はじめまして。この科目を担当する加藤志織と申します。よろしくお願いいたします。
この講義で扱うのは、紀元前の古代エーゲ海文明から16世紀初頭までの芸術作品です。また、そのほとんどがキリスト教などの宗教と深い関係にあります。
時代の幅がたいへんに長く、日本人にはなじみがない宗教や思想に関するお話もでてきますが、楽しんで学んでいただけるように教材を工夫しました。一緒に頑張りましょう。

  • 授業概要 ヨーロッパ文明の源である、古代エーゲ海文明から、古代ギリシアおよび古代ローマの芸術、そして初期キリスト教時代を経てビザンティン、ロマネスク、ゴシック、ルネサンスへと続く西洋の芸術の道程を、講義映像と映像資料そしてWEBテキストを用いて概観します。さらに各地域、各時代の芸術作品にみられる様式の比較を行い、その変遷を通史のなかに跡づける作業をおこないます。
    授業目標 まずヨーロッパ芸術の誕生からイタリアの盛期ルネサンスまでの大きな流れを通史として把握していただきます。具体的には、ヨーロッパの造形芸術の土台が、古代エーゲ海文明、さらには古代ギリシアやローマ文明を基に形成されていく過程を理解します。つぎにその土台から、キリスト教芸術が展開していく様子を、当時の社会的・文化的・地理的条件を考慮しながら見ていきましょう。
    こうした芸術史の流れと共に、各地域・各時代に生じた芸術動向を典型的に示した作品にかんする基本的な情報を学んでいただき、作品を様式的に捉える能力を身につけていただきます。このように作品を見る力を養うことによって、個々の作品をヨーロッパ芸術史に正しく位置づけられるようになります。また学問としての美術史が過去の作品を分析してきたさまざまな方法論にも目を向けてもらいます。くわえて、それら方法論の功罪について考察する能力を培ってください。
    授業の流れ ・1章 エーゲ海文明とギリシア美術の誕生-古代地中海文明の形成
    ・2章 ギリシア美術の黄金期-クラシック時代
    ・3章 ヘレニズム美術と古代イタリア美術-ギリシア文化の終焉とエトルリア美術
    ・4章 古代ローマ美術-古代の成熟と終焉
    ・5章 初期キリスト教美術-葬礼美術から地上の聖堂装飾へ
    ・6章 前期ビザンティン美術-皇帝ユスティニアヌス一世の黄金時代
    ・7章 中期・後期ビザンティン美術-円熟から帝国滅亡へ
    ・8章 初期中世美術-西欧社会のあけぼの
    ・9章 初期ロマネスク美術-紀元1000年前後からロマネスク美術の誕生へ
    ・10章 ロマネスク美術の展開-西ヨーロッパ全体に開花した美術の諸相
    ・11章 ゴシック美術-大聖堂の時代
    ・12章 イタリア美術の芽生え-ゴシックからルネサンスの黎明へ
    ・13章 中世末期の美術-国際ゴシック様式
    ・14章 初期イタリア・ルネサンス美術-古代復興と芸術革新
    ・15章 イタリア・ルネサンス美術の展開-フィレンツェの黄金時代からローマの盛期ルネサンスへ
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