授業概要 | 盛期イタリア・ルネサンスのミケランジェロの芸術から、ヴェネツィア派の美術、15・16世紀のネーデルラントとドイツの芸術、さらにマニエリスム、バロック、ロココ、フランスの新古典主義、ロマン主義とレアリスム、印象派、これらそれぞれの芸術の関係性と特徴について解説をおこないます。 まず、各時代・各地域を象徴する作品の様式や制作技法などの基礎的な知識を学びます。つぎにそうした芸術作品にみられる様式の比較をおこなうことによって、その変遷を通史のなかに跡付けます。そして個々の芸術作品が生み出された背景を当時の芸術的な動向や政治、経済、宗教、あるいは諸地域間の交流といったさまざまな社会・文化的な状況から多層的に考察する力を身につけます。 | ||
---|---|---|---|
授業目標 | イタリア盛期ルネサンス芸術を完成に導いたとされるミケランジェロから、ポスト印象派の芸術までを通史として把握していただきます。イタリアを中心にさまざまな地域で生起し、その後、多様な展開を遂げた数多くの作品の基礎的な知識を身につけると同時に、各時代、各地域の作品を比較して、それらの様式的な特徴についても理解してください。 この講義で扱う約500年間にはたくさんの芸術論が誕生しました。これらが、芸術作品を制作する場合だけではなく、作品を評価する際にも大きな影響を与えたことを学習しましょう。また学問としての美術史がこの間に制作された作品をどのように分析してきたのか見てみましょう。こうして美術史のさまざまな方法論を検証することによって、その功罪についても学んでいただきます。 | ||
授業の流れ |
・1章 盛期イタリア・ルネサンス美術-ミケランジェロの芸術 ・2章 ヴェネツィア美術-油彩画技法のあらたなる展開 ・3章 北方ルネサンス美術 Ⅰ-ネーデルラントの写実 ・4章 北方ルネサンス美術 Ⅱ-ドイツ美術の萌芽と展開 ・5章 マニエリスム美術-古典的理想美からの逸脱 ・6章 イタリアの初期バロック美術-カラッチ一族とカラヴァッジョの革新 ・7章 イタリアの盛期バロック美術-カトリックの首都ローマにおける総合芸術 ・8章 スペインと中南米のバロック美術-リアリズムと幻想空間 ・9章 17世紀フランスの美術-絶対王政下でのバロックと古典主義 ・10章 フランドル、オランダのバロック美術-新しい絵画ジャンルの隆盛 ・11章 ロココ美術-感覚のよろこびの目覚め ・12章 革命期および新古典主義の美術-理性と理想の時代 ・13章 ロマン主義からレアリスムへ-新たな主題を求めて ・14章 印象派とその周辺-近代芸術の幕あけ ・15章 ポスト印象派から世紀末へ-印象主義の遺産とその超克 |