授業概要 | ヨーロッパにおいて、古代ギリシアから18世紀後半の啓蒙主義の時代までに生み出された、上演芸術に関係するさまざまな文学作品あるいは文芸理論についてとりあげます。 その歴史を通史として概観すると同時に、個々の作品や作家に関する基礎的な知識を身につけることで、上演芸術について考察する能力を培います。その上で、上演芸術が演劇、美術、音楽、文学、舞踏からなる総合芸術であることを学びます。 | ||
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授業目標 | この講義の前半では、ギリシア文学、ギリシア哲学、ローマ文学、キリスト教文学、ルネサンス文学、人文主義といったヨーロッパ文化の「土台」というべきものを学びます。どれも近現代の西洋文化が成立するうえで欠かせない要素です。例えば、シェイクスピアはギリシア文学から人文主義にいたる要素をすべて自分の作品のなかに取り入れています。しかし、ギリシア文化から18世紀の文化にいたる流れは必ずしもー直線的なものではなく、空白があり、停滞があり、迂回があります。また、シェイクスピアの演劇とオペラの誕生といったような「同時進行」も見られます。 講義の後半では、17世紀から18世紀にかけて、大きな変化がゆっくりと繰り広げられていきます。デカルトの哲学は何を変えたのでしょうか。「小説」というジャンルはどうのように生まれていくのでしょうか。こうした変遷をしっかりと時代の流れのなかで捉えてください。 | ||
授業の流れ |
・1章 ギリシア文学-神話からホメロスへ ・2章 古代ギリシア哲学-「世界への問い」から「人間への問い」へ ・3章 ギリシア悲劇-古代ギリシアの全盛期とともに ・4章 古代ローマの文学-政治とヒューマニズムの時代 ・5章 聖書とその周辺-イエスの登場から受難、そしてキリスト教成立へ ・6章 中世の文化-スコラ哲学の隆盛、宗教劇の始まり ・7章 ダンテからルネサンスへ-新しい世界観に向かって ・8章 中世とルネサンスの音楽-歴史的かなたの音を求めて ・9章 人文主義の時代-ルネサンスから宗教改革へ ・10章 シェイクスピア-ルネサンス文学の集成 ・11章 古典主義演劇の黄金期-モリエールの喜劇、ラシーヌの悲劇 ・12章 デカルトとパスカル-近代の扉を開く ・13章 小説の黎明期-ロマンスから小説(ノヴェル)へ ・14章 オペラの誕生とバロック音楽-モンテヴェルディからバッハまで ・15章 啓蒙思想-思想運動としての啓蒙 |