ランドスケープデザインコース 千葉 剛【学科賞】
「Sun Sui Go Connect」 〜南北エリアの交流を育む河川回廊の活用〜
山水郷とは山水の恵み豊かな地域のことで、その地域ならではの価値を再発見して資源を活かし、循環型経済を構築すること、最先端のクリエイティブは地方に。この提議は書籍「日本列島回復論」で謳われ、数年前に移住した私が、これからの分散分配社会のライフスタイルとして共感したことがテーマに取り上げた理由です。
国土の7割を森林と多くの河川を保有する国内の地方創成の将来、公共施設の新規開発として提案しました。これまでの最大効率を主にした国土造りは都市を作り、人を集め、モノ、情報を極集中して行われてきましたが、今回のコロナや地震を初めとする震災に対しての密集は余りにも脆弱であるのと同時に、SDGsのように財、富も含め一部の偏りが、環境を始め全ての問題要因の大であるとして、「分散・分配」は世界的にも、時間猶予のない価値観の強いスタンダードになっていると思います。本気の地方創成は、地域の圧倒的な魅力の発掘と、ITの最大活用によって、人・モノ・インフラ・情報を繋ぎ、都市から企業を誘致し、都市と比較しても人々の実利として同等化する必要があると思います。そこに自然との共生が加わることにより、都市とは異なる各地域のアイデンティティーが生まれます。
河川はすでに、山と海と郷を繋ぐ自然動線のガイドとして土地に存在し、これまでは自然を切り開いたアスファルト道路の障害な存在として橋梁を渡してきましたが、その自然動線をもっと有効的に活用できないかとの問いが自分のテーマとなりました。当然自然を取り除く工事は必然になりますが、圧倒的に新規、山・土地の造成よりも自然影響、土地権利などリスクヘッジになると考えました。これまでの都市部中心の自然を取り除いての開発でなく、取り除けない動線をガイドにして、自然に取り込まれるような地域のフォーカルポイントともなるファシリティの提案です。そこに人、モノ、情報、仕事が集まり、各地域の山水郷を繋ぐバイクトラックを整備することで、フレックスタイムも活用しながら、例えばRFのコミュニティーパークで河川のせせらぎと緑を感じながら仕事をし、1日の中で、休み時間に海で潮風を感じたり、郷中の蕎麦屋にランチに行ってみたりと気軽の移動が、これまでの郊外から都市部へ、都市部から郊外へと日常・非日常で繰り返される、莫大なエネルギーと時間を浪費する密集移動に代わる豊かさの価値の1つの選択肢であると考えました。
今回のテーマを実現する3つの提案。
1、河川を動線のガイドとして、山水郷の南北を繋ぐバイク トラックを整備すること。
2、かつての宿場をヒントに、一里塚(4km)毎に5つのポストタウンを設置すること。
3、河川上を有効活用し、有事の際、避難所のハブとしても機能するファシリティをデザインすることです。
そのポストタウンにフォーカスして、図面、模型を制作をしました。
高麗山をフォーカルポイントに持つ、平塚大磯のポストタウンのブリーフスケッチです。衣食住やアメニティ、オフィスとしての総合機能を持つファシリティです。
平塚・大磯のポストタウンの屋上、コミュニティパークの平面図です。
デザインコンセプトについて、採光のベンチレーションに加え、水流、河川の形状などを考慮したフォルムは、曲線R・アンシンメトリーを多く取り入れました。防災機能的には、海岸からの高潮津波の際、水流の当たりを軽減し左右に水の抵抗が逃げるように、国道1号に接するポストタウンの南側エリアを狭くデザインしています。
フォーカルポイントの高麗山や遠望の大山、富士などの眺望、現況の風景に配慮し、最高位で既存堤防(側道)から23mの低層設計にし、RFは高麗山自生樹木を多く配植しました。またフラット面を軽減するため4mほどの勾配をつけた築山で稜線のRをデザインし、現況に少しでも溶け込むファシリティであるように、柔らかさを表現しました。
千葉 剛【学科賞】
ランドスケープデザインコース
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