空間演出デザインコース 宮崎 友花【コース奨励賞】
素材:和紙,漆等の箔,絹糸,金糸,竹,桐等の木材,レザー,布,牛乳パック他
作品タイトル: neo 佐賀錦
作品テーマ: 佐賀錦の魅力を伝える 佐賀錦を日常生活に取り入れる提案
コンセプト: 佐賀錦の手仕事の美しさを伝える新しいカタチ
「佐賀錦」をご存知で身近に感じている方は少ないのではないでしょうか。
佐賀錦は箔が貼られた和紙を1mm 以下に裁断したものを経糸(経紙)に、一目一目竹のヘラですくって絹糸の緯糸で模様を織り出します。ベテランの織り手の方でも1 日に数センチしか織ることができないような細やかな手仕事でできる織物で、高級品です。
私が佐賀錦と出会ったのは、親戚が佐賀錦作家の方の元で佐賀錦の織地を着物やローブデコルテなどに刺繍する職人をしていたことがきっかけでした。その親戚も高齢になり引退し、彼女の持つ佐賀錦を刺繍していく特殊な技術は継承されませんでした。また同僚の佐賀錦の織り手の方も技術継承の課題がある状況ということがわかりました。
そして私自身、佐賀錦教室で習い始めるにあたり、卓上の織り台や竹べらといった道具を揃える際、道具の作り手も引退されるなどして在庫限りに、織地をバッグなどに仕立てる仕立て屋さんもお店を閉じられた、といった状況を目の当たりにしました。工芸品そのものの担い手とそれに関連する手仕事の継承に対する危機感をもち、佐賀錦の魅力を発信し、より多くの方に身近に感じてもらえるような提案をしたいと考えました。
今回私は佐賀錦の魅力を「高級品に手が届く人だけのもの」「和装が好きな人だけのもの」というの
ではなく、多くの人に身近に感じてもらえるような提案をしたいと思い、以下のような3つの視点から
4つの作品を制作しました。
佐賀錦の魅力を伝えるための取組み全体像
伝統模様には、意味や願いが込められています。そうした模様の意味や願いを現代の日常生活で
使う小物に反映させたアイテムを制作しました。例えば伝統模様の「杉綾模様」には「人との良縁」
という意味があり、出会う人と良いご縁があるよう名刺入れというアイテムにしました。
佐賀錦の大きな魅力である「華やかさ」を日常に取り入れるアイテムとしてインテリアエレメントと
アクセサリーアイテムに仕立てました。
ベテランでも1 日に数センチしか織ることができない、ということは、言葉ではわかっても、
一度このミニ織り台で織ってもらうと本当の意味で理解できる、そんなリアルな体験ができます。
また自分で織って作品作りができる楽しさをダイレクトに伝えられ、佐賀錦への
興味や理解、本格的に佐賀錦に取り組むきっかけになればということで制作しました。
佐賀錦は発祥の地、佐賀だけでなく東京でも発展した歴史があります。また、博多織や西陣織でも
佐賀錦が生産されているなど、理解しにくい部分があるので、そうした情報を含めブックレットや
ワークショップでわかりやすく発信します。
宮崎 友花【コース奨励賞】
空間演出デザインコース
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