新春 蹴鞠始
日本画コース 酒井 裕 (酒井 而今)
130.0 x 160.0 cm
高知麻紙、岩絵具、水干絵具、墨、アルミ箔、膠
一昨年(2024年)京都キャンパスで風景画を受講した際、下鴨神社の葵祭を見ることが出来、6世紀から脈々と続く、歴史絵巻に圧倒された。その際、知り合ったスタッフの方に、来年、年初の蹴鞠初めも「どうぞお越しください」と誘いを受け、どんな行事なのか調べた結果、これは卒業制作で描きたいのと思いを強くし、昨年正月、初詣を兼ねて、蹴鞠初めを見学し、スケッチ、写真撮影をした。
当初は風景画と人物画を一緒に描ける良い題材だとの欲張った思いで下絵制作をしたが、100号の大作にするには荷が重く、総花的な観光ポスター風になると感じた。スクーリングで先生方からも指摘を受け、結局、プレイヤーと観客に絞った下絵を採用した。
蹴鞠が「競争ではなく調和、支配ではなく配慮」という極めて日本の文化を象徴していること。そこには蹴鞠をする人の沈黙、静謐、緊張感とそれを尊重する観客がもたらす会場の独特の雰囲気に感動し、この絵のテーマとした。実際に見たものをただ忠実に描くのではなく、卒業制作と言う記念の作品なので、自分なりに解釈し、表現し、独自の表現、創作を始めた。
もっと大事なことを今回の卒業制作を通じて、痛感したのは、正確なデッサン力を身に着けること、しっかりした構想と構図を描けることと同時に見た人に伝えることができることだ。
そのためには自分自身の人間性をもっと磨かなければならいし、描いた人や見た人から率直なコメントを貰うことを続けて、それを受け入れ、作品の質を高めて行きたい。
日本画コースを受講することで、今まで自分の生きて来た世界と全く異なる絵を描くと言う世界を得て、絵を描くことの奥の深さ、喜びを覚えることが出来、本当に良かったと
思っています。
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酒井 裕 酒井 而今
日本画コース
小学生1‐2年の時、近所のお絵描き教室に行って以来、絵を描くことはなかった。西洋美術に興味あり、美術館によく行ったが、日本画とはあまり縁がなかった。たまたま訪れた兵庫県、大乗寺でチーム応挙の自然と調和した素晴らしい襖絵を見て、感激し、いつかは日本画を描きたいと思うようになった私は、75歳で思い切って日本画を始め、今はその楽しさと面倒さにハマっている。
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