ニカワの始まりとソフトボイルド・ワンダーランド
カマルとニカワと北斎と
日本画コース 岩本 悠一
1,303 × 1,620 mm 紙本/ミクストメディア(膠、墨、胡粉、岩絵具、水干絵具、顔料、顔彩、箔、半紙、アクリル、パステル)
190 × 80 × 90 mm 立体/石粉粘土、アクリル
猫のカマルが目を覚ますと、そこには北斎が広がっていた。北斎の景色の中には怪しげな黄色い小さな二足歩行の生き物があちらこちらで遊んでいる。コイツらはニカワくん。膠でできたニカワくん。ニカワくんたちはカマルとお友達になりたくて、このニセモノの世界に連れてきたのだ。神社のやしろはあっちの世界とこっちの世界を繋ぐ抜け穴。空には開閉式のお日さまと、ブランコ用のお月様。「凱風快晴」はいつまでも赤く、「神奈川沖浪裏」は絶えず飛沫をあげている。カマルはニカワくんたちとすっかり打ち解けて、この素敵なニセモノの世界で遊んで暮らした。
という、ニカワくんの妄想のおはなし。
裏テーマ:動物画としての猫、コラージュ素材としての北斎オマージュ、イラストとしての日本画での学びを詰め込んだコース非公認のゆるキャラ「ニカワくん」を、1つの画面に入れたら、絵画とイラストレーション、漫画のボーダーを崩せるのかを試みました。「ニカワくん」は私の中以外には実在しないため、実在するよう立体を作り、可視化しました。これを平面作品と併せて「ニカワくんの空想」というインスタレーションで表現しました。
2つ目は、北斎を大量生産、大量消費の象徴として取り上げました。浮世絵の時代から今に至るまで、北斎は消費され続けています。それをこの作品に込めて、みんなで消費しようという目的があります。
そして何より、ただただ楽しさが伝わる絵になっていれば本望です。
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