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アニバーサリー

anniversarius 毎年巡ってくる日

染織コース 白濱 千恵 (Pino)

素材:綿ブロード60番 染料:反応染料(リアック染料)   技法:ろう染(向かって左側の背景は付立て技法。右側の背景は堰出し技法)アクリル絵具
パネルサイズ:縦73㎝横182㎝奥行2.5㎝

 アニバーサリー(anni-versary)という言葉には、一般的な意味では、記念日や周年という意味がある。これが、我が家においては、一緒に暮らしている2匹の猫の名前も意味している。結婚記念日に私は初めての猫を迎え、茶トラの彼の名前を“アニー”と名付け、そしてその数年後に迎えた2匹目のキジトラの猫には、バーサという名前を付けた。

 私はこの2匹の猫たちを作品の主題(モチーフ)にして表現したいとずっと考えており、作品タイトルの「アニバーサリー」という言葉を深く掘り下げて調べてみることにした。

 すると、「アニバーサリー」の語源は、ラテン語の「anniversarius(アンニウェルサーリウス)といい、これは「年」を意味するannus(アンヌス)と、「回る・巡る」を意味するversus(ウェルスス)の結合から成っており、「毎年巡ってくる日」を意味するということが分かった。

 前期の作品では、「毎年巡ってくる」ものとして、自然の草花の移り変わりの中に猫を表現し、春夏秋冬で、4枚制作しようと考えた。しかし実際、前期で制作してみて初めて分かったのだが、4枚に分割してしまうと、四季の花や紅葉が全面に出てしまい、本来の主題である「猫」の魅力とその存在感がかえって薄まってしまうように感じてしまった。

 そこで、後期作品では、思い切って2つの季節に集約して、“オダマキ”とクリスマスローズを背景に配置しつつ、2匹の猫を大きく描くことによって、それぞれの猫の細部を表現することにした。また、後期作品では、新たに“毛糸”のモチーフを追加して、2枚のパネルの目に見える繋がりを作ってみた。

 毎年同じ季節が巡って来ると、忘れることなく開花する花の存在には限りない喜びと幸せと感動を覚える。今回私は、巡る季節の体現者である2種類の花を背景にして、最愛の2匹の猫を表現することができた。

 我が家の猫と、我が家の庭を飾る2つの草花の魅力を表現した今回の後期の作品を通して、もしも鑑賞者の方々に、私の心の中の「愛情」・「信頼」・「絆」・「不安やストレスからの解放」・「シアワセな気持ち」をお届けできたならば、この上ない幸せである。

前期作品、春。茶トラのアニー。縦73㎝横91㎝奥行2.5㎝
前期作品、夏。キジトラのバーサ。縦73㎝横91㎝奥行2.5㎝
前期作品を終えて、後期に向けてアイデア変更。原寸大色草稿①
前期作品を終えて、後期に向けてアイデア変更。原寸大色草稿②
バーサの練習を経て、毛並みの表現方法を見直す。縦53㎝横40㎝
猫の毛並みの表現方法模索中。ゴッホ展でゴッホの作風に影響を受けチャレンジしてみたが、イメージと違った。縦53㎝横40㎝
初めてのご対面。どの子よりも愛嬌がよかった。ウチに来てくれてありがとう。ウチの子になってくれてありがとう。大好きだよ。アニーの好きなモノ、私、バーサ、紐。
アニーの熱望より迎えたバーサ。公園でカラスに襲われそうなところをおじいさんに助けられる。その後、ご縁があってウチの子になる。バーサの好きなモノ。おやつ全般。現在は一人っ子満喫中。
アニーガーデンに咲く、クリスマスローズ
アニーガーデンに咲く、オダマキ

白濱 千恵 Pino

染織コース

宮崎県生まれ。現在は千葉県在住。
子どもの頃から、モノを作ることが好き。母親からもらった残布でリカちゃん人形の洋服を作ったのが創作活動の始まり(布に小さな穴を開けて、頭部を外して着用するタイプ)

30代の頃、洋裁教室とニットソーイング教室に通い始める。その後、ニットソーイングのインストラクターを7年勤める。40代後半から、大学で学び始める。
卒業後の野望。①NY,アフリカ、ヨーロッパ、トルコ、ベトナムに旅行する。②自分で染めた布で洋服を作る。③猫の表現を極める。

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