塩川滝 ~相克 それとも 相生~
(大学院)日本画分野 古川 亮二
194cm×130cm
高知麻紙 岩絵具
眼前の滝と周囲の景観を通して私に見えるのは、褶曲と浸食を重ねて地上に露出する岩盤と、容赦なく流れ落ち、その岩肌を削り取っていく滝の流水が織りなす、「相克」の姿である。
また、恐ろしい形相を成す岩肌の裂け目に目を移せば、風雨に耐えかね砕けかけた岩間から、必死にしがみつき生きようとする小さな植物たちの、「相生」の姿が垣間見える。
現実界に戻り、現在進行形の世界情勢に目を向ければ、おりしも戦後80年の節目、核軍縮が叫ばれる中、ロシアの執拗なウクライナ空爆、イスラエルでの死闘と破壊、米国関税政策による全世界の混乱……と、「相生」を求める声も空しく、「相克」の増幅が懸念される昨今である。
他方で、「塩川滝」の景観に身を委ね、その滝の音に浸りきっていると、崩落の進む岩壁に躍る「龍神」の姿があり、滝の裂け目には、仏の姿が見え隠れしているように思える。
人々の「相克」、「相生」の選択の行方を見守り、導くために「飛龍」と「阿弥陀仏」が現れたのであろうか。
古川 亮二
(大学院)日本画分野
このコースのその他作品