始められない絵本達
グラフィックデザインコース 高橋 奏多
「日常的に怠けてしまうが、具体的な対処法が分からない20〜30代の若年層」をターゲットに、読み手の怠惰の治療を目的とした絵本です。
生産性を重視する現代社会において、「怠惰」は、多くの場合「悪」として扱われますが、その影響で精神疾患や心身の不調に伴う休息でさえも「怠惰」と一括りにされ、そのメリット(回復や再構築のための時間)は十分に認識されていません。
この絵本では、怠惰を「抑うつタイプ」のチグリ、「先延ばしタイプ」のベル、「無気力タイプ」のモイに分け、各キャラクターにある症状におけるメカニズム、回復・緩和までの流れ、治療のための簡単なレッスンを踏まえながら、それぞれの絵本を始めるまでの旅路を描いています。また、今回の制作における「怠惰」とは、単なる気力の欠如や意志の弱さを指すものではなく、精神疾患や心的負荷といった、個人の努力だけでは制御しきれない状態に限定し、それを否定するのではなく、むしろ一つの必要な反応として捉えることを目的としています。
高橋 奏多
グラフィックデザインコース
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