グラフィックデザインコース 野口季美恵
「ある髪飾りの物語」
インスタレーション/450×4800mm
ミクストメディア/メイン68×130×80mm、他12点
これまで生きてきた道のりの中で「女性」というものに関心があり、特筆して言えることには「女性の愁い」に自分の美意識のポイントを置いていることでした。テーマ設定をする際に自分の興味のある部分を掘り下げてみると、やはり「女性性」に行き着きました。ひとえに女性像といっても複雑なので、その多面的な部分を表現するために女性にとって結びつきの強い「髪の毛」というパーツから連想し、髪飾りの視点から10名の女性の物語を紡ぐことにしました。
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はじまりの女・旅立ちの女/笑えない女/夢見る女/失った女/歩き出す女/足踏みする女/見つめる女/生きる女/紡ぐ女/未来の女
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持ち主をイメージした13個の宝石箱に髪飾りが見た一瞬の心象風景を切り取った写真ビジュアルと、彼女達をイメージするものや大切にしてきたものを詰めて女性像を形成しています。
※髪飾り自体を語る宝石箱も2個含んでいます
鑑賞するためには宝石箱を開けたりルーペで覗く行為が必要で、目を凝らさねば見えない小さな髪飾りの世界を表現しています。意識的に「聞こうとすること」「見ようとすること」。その感覚を向けないと、この物語が語りかけてくるものを受け取ることができません。このことは、社会の構造とも重なる部分があると感じながら制作を進めました。
とり上げた女性像は何一つ特別なものではなく、誰にでも当てはまるような人間像でもあるのですが、どうしても「女性であること」で立ちはだかるものがあります。
生きることを諦めないその美しい様が伝わるよう制作した作品です。
野口季美恵
グラフィックデザインコース
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