情報デザインコース 奥江 琴弓【コース奨励賞】
つながる古事記 ーゆるーく古事記を知る、教育系アニメーション番組ー
映像 / 全3回 24分30秒、パネル / A2版 2点
古事記には「擬人化」や「見立て」などの様々な比喩表現が使われています。
それらの表現方法は、先史時代の人々がものごとを伝えるための「言葉のデザイン」であり、比喩を使うことで「想像の余地」が残されている点にも面白さを感じ、古事記の奥深さに興味を持つようになりました。
古事記の伝える伝説・伝承は、日本に文字が入る以前から口伝(くでん)によって語り継がれ、敢えて日本古来の話し言葉であった大和言葉をそのまま漢字表記にする特異な手法「万葉仮名」と漢文とを組み合わせて記されました。
形を変えながらも長く伝わり続け、現存最古の歴史書となった「古事記」に記された内容について、新たな解釈での形を模索し、表現したいと考えたことが、卒制テーマ構想の発端となります。
古事記による日本のはじまりは、すべてのものに等しく生命が見出され、人も神も同じように生まれ、植物のように生を繋いでゆきます。
想像力とともに古事記の内容を紐解いてゆくと、そこには、自然現象やあまねく人知を超えた存在から生み出された様々な神々の存在、森羅万象に命が宿るとされる共生の思想、異なる文化形態の神々をも融合し尊重してきた独特のおおらかさや、多様性の受け入れについての概念、そして、植物のようにと繰り返し語られる人の生死や、平等性などの「今につながる大切なこと」が多く隠れています。
はるか昔から、人は思考をつなぎ、想像とデザインの力がそれを助けてきました。
古事記が伝える大切なメッセージを、自分なりの解釈で見立て直し、未来に繋げたいと考え、卒業制作として、ゆるーい教育系の番組制作を考案しました。
古事記の中でも、多くの人が知っているようで知らない「はじまりの部分」をピックアップして、現代も変わらない理(ことわり)や思想・文化のルーツとなる内容について、それぞれの想像力と感性で、楽しく知っていただければと思います。
研究や解釈は様々ですが、すべてに意味があるため、ときにはツッコミを入れたりしながら、色々と想像したり、おおらかに楽しんでいただきたいです(わりと古事記の内容は、原始的で粗野な部分もあり、ツッコミどころも満載です)。
私自身が古事記から感じ取ったように、作品を見てくださった方にとって、生き方について考える小さなきっかけになればと思います。
第一回「天地のはじまり、知ってる?」(7分7秒)
第二回「はじまりの神様、知ってる?」(10分19秒)
第三回「国のはじまり、知ってる?」(7分4秒)
奥江 琴弓【コース奨励賞】
情報デザインコース
このコースのその他作品