文芸表現学科

2017年10月

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2017年10月27日  イベント

児童文学作家・宮下恵茉さん特別講義レポート

先日行われた宮下恵茉さんの特別講義を受け、
2回生の辻本智哉くんがレポートを書いてくれましたので紹介します。
 
 
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一年前に読んだ本の内容は覚えていなくても、子供の頃読んだ本は心に残っているものです。これを書いている僕も、小学生の頃は図書館にこもって本ばかり読んでいた記憶があります。児童文学はめくるめく活字世界への入口。だからこそ、児童文学作家は子供の人生に大きな影響を与える職業です。
 
出版業界全体が停滞し「本が売れない」と叫ばれる中、児童文学は時代の流れに逆行して売り上げを伸ばしています。本日はそんな右肩上がりの業界から現役の児童文学作家、宮下恵茉(みやした・えま)さんが特別講義にいらっしゃいました。
 

左:辻井南青紀先生(本学科教授) 右:宮下恵茉さん

左:辻井南青紀先生(本学科教授) 右:宮下恵茉さん


ミヒャエル・エンデ『モモ』—宮下さんが子供時代に読んで影響を受けた一冊

ミヒャエル・エンデ「モモ」—宮下さんが子供時代に読んで影響を受けた一冊


『ジジ きみと歩いた』『あの日、ブルームーンに。』など数多くの著作で知られる宮下さんですが、
「ひと月に原稿用紙500枚以上は書いている」
「去年は17冊出してもらって、今年も10冊出る予定です」
という言葉と多筆ぶりに、学生がざわめいていました。ちなみに文芸表現学科の卒業制作の上限は200枚ですが、その2.5倍の量をひと月に……。
「推敲することが大事」と話され、たくさん書いた原稿を見なおし、何度も推敲することでブラッシュアップしていくそうです。こうした自筆の原稿以外にも目を通す原稿があるとのことで、文章に対するすさまじいまでの体力と精神力があるなと感じました。
 
宮下さんは家事や育児を中心とした忙しい「お母さん生活」を続けたおかげで、複数の作品を同時進行で書き進められる力がついたと語られました。また執筆の際モデルにしているのは「子供時代の自分」とのことで、僕は書くという行為がいかに日頃の生活ひいては人生全体と強く結びついているかを再確認しました。
 
また新人賞審査員を勤めた経験から語る応募作の傾向、新人賞受賞後のセルフマネジメントについて、シリーズものを書く大変さ、「書くことを好きになる」ことの大切さなど、リアルな作家活動と、並行する生活について惜しみなくお話しくださいました。小説家志望の学生はもちろん、僕のようなフィクションを書かない学生にもたいへん参考になったと思います。
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大学を卒業されてから15年かけて作家デビューを果たした宮下さん。本人もおっしゃられていましたが、宮下さんがデビューできたのはやはりどんな時も書き続けてきたからでしょう。「書き続けること」と「書くことを好きになること」の大切さが身に沁みる素晴らしい一時間半でした。
 
 
 
文・辻本智哉(文芸表現学科2年)

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2017年10月19日  授業風景

学生REVIEW 「アジア回廊 現代美術展」

1回生の「アーティクルライティング」の授業で、元離宮二条城で開催された「アジア回廊 現代美術展」を見学しました。それぞれに展覧会を鑑賞したあと、〈ウェブマガジンの記事を想定して書く〉という課題に取り組みました。今回はそのなかから、添田陸くんの記事を紹介します。
 
 


 
 
2017年8月19日(土)~10月15日(日)に元離宮二条城にて開かれた「アジア回廊 現代美術展」。8月から11月にかけて行われる「東アジア文化都市2017」のメインプログラムとして行われたこの展覧会には、京都造形芸術大学卒業生宮永愛子氏と美術工芸学科教授やなぎみわ氏が参加した。
最大の会場である元離宮二条城には、総勢16名の現代美術作家が参加した。私が見学に行った際には、4つの作品がすでに撤去されてしまっていたが、それでも見ごたえのある展覧会であった。今記事では、その作品群よりいくつか紹介したいと思う。
 
会場内に入りすぐ目を引いたのは、赤と緑のザルによる立体物だ。鮮やかなそれは、韓国人アーティストチェ・ジョンファ氏の作品だ。一万個のも及ぶ韓国製のキムチ用のザルによって作られた《エアーエアー》。インスタグラムやフェイスブックなどに写真を載せるということが当たり前である現代において写真を撮られることを前提とした作品となっているそうだ。
 
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その奥に見えるのは、5本の木がマストのようにも見える船だ。船であると同時に一つの巨大な盆栽でもあるこの作品は、中国人アーティストツァイ・グオチャン(蔡國強)氏の手によるものだ。これは前年奈良市にて行われた「東アジア文化都市2016奈良市」で氏が東大寺の境内の池に設置したものを二条城の庭に移築したものだ。展覧会を渡る船。展覧会と展覧会をつなぐ船。ただ、池に浮かんでいた船が、二条城では盆栽となった。果たして、この船はもう一度帆走できるのか。余談となるが、船であり巨大な盆栽でもあるこの作品は、屋外に2か月近く置かれていた。その間苔を枯らすことなく、腐らせることなく維持したことへ単純に驚きを覚えた。
 
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二条城という空間に溶け込む様々な現代美術。この城は、日本の歴史、ひいては東アジアの歴史が変わるきっかけとなった場所だ。多様性の許される時代の幕開けとなった場所だ。そこに現代人の思考や傾向を象徴する作品群が交じり合う。それだけではない。自らのアイデンティティや国のありかたなど、作家を形成するモノも溶け合う。息づく歴史に寄り添い、しかし、アーティストたちの想像力が爆発している。そんな展覧会だった。
 
 
 
 
文・添田陸(文芸表現学科1年)
 
 
 
 
 

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2017年10月17日  イベント

文芸 X 文芸 X 文芸

2017年10月14日(土) 日芸・大芸・京造 三芸大文芸イベント
 
日本大学芸術学部文芸学科と、大阪芸術大学文芸学科、そして京都造形芸術大学文芸表現学科の三芸大が集まる芸大文芸交流イベントも、今年で3年目となりました。2015年、2016年は、日大の文芸学科と京都造形芸術大学だけの交流イベントでしたが、今年ははじめて大阪芸術大学も参加し、大規模なイベントとなりました!
 
京都を朝出発し、大阪の喜志駅で集合して、スクールバスに乗り換え、大阪芸術大学へ向かいます。
副手さんの案内で学内を散策したあとは、学食で昼食を食べ、
午後から各種ワークショップや、ディスカッションを行ないました。
 

まずはそれぞれの大学の教員紹介から

まずはそれぞれの大学の教員紹介から


学生も全員自己紹介しました

学生も全員自己紹介しました


山田兼士先生のワークショップ

山田兼士先生のワークショップ


詩から想起して、ショート・ショートを書く

詩から想起して、ショート・ショートを書く


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学生の課題をその場で添削する玄月先生

学生の課題をその場で添削する玄月先生


八薙玉造先生のラノベワークショップ

八薙玉造先生のラノベワークショップ


ちがう大学の学生と一緒にワークを行ないました

ちがう大学の学生と一緒にワークを行ないました


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パネルディスカッションでは、それぞれの大学で学んでいることを紹介し、
芸大のなかの文芸はどうあるべきか、というテーマについて意見を交換しました。
 
もっと施設や授業を充実してほしいというような意見がでるかと思いきや、「もっと授業に出るべきだ」とか「もっとたくさん書くべきだ」といった真面目で熱い意見が多くて、みんなが真剣に文芸と向き合っている様子がよく分かりました。
 
 2回生の辻本智哉くんと、森田風香さん

2回生の辻本智哉くんと、森田風香さん



 
イベント終了後も残ってワークショップのつづきが行われていたりしましたが、
このあとは駅の近くで懇親会があり、さらに学生同士、教職員同士の交流を深めました。
 
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これまでで一番多くの学生が集まった交流イベントとなりましたが、大学こそちがえ、みんな文芸を志している学生なんだなあと思うと、感慨深かったです。順番では、来年度は京都開催となる予定ですので、また楽しいプログラムを企画したいなと思います。
 
 
スタッフ・竹内
 
 
 
 
 

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2017年10月12日  ニュース

うえだ七夕文学賞 自由詩部門・優秀賞受賞〈2回生・小林哲史〉

上田西高等学校・上田女子短期大学主催の第3回うえだ七夕文学賞自由詩部門で、
小林哲史くん(2回生)が優秀賞を受賞しました。
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小林くんは上終歌会と終句会(できたばかりの句会です)にも参加していて、
このごろ詩歌が盛り上がってきているな〜、と思っていた矢先の受賞でした。今後も期待しています!
 
以下、受賞作「異星人」を全文公開します。
 
 
 
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異星人
 
 
物を投げつけられたり隠されたり
浴びせられるのは大抵悪口でたまに水
宇宙人とか火星人とか言われて
バリバリの地球人ですけど?
 
みんなはしないことをして
みんなとは違う趣味を持っていて
みんなとは違った子で
みんなと僕は違う生き物だという
常識が通用してしまう
 
間違い探しが大好きなみんなの中にはもちろん
地球に元からいる周りの子たちの中にも
たぶん僕の仲間はいない
 
「はじめまして
 僕は遠い星から来ました
 前に住んでいた星にはいろいろな子がいました
 みんなと公園で遊ぶ子
 一人でテレビゲームをする子
 そんな子同士が仲良く暮らしていました
 どの子も面白くて優しいです
 テレビで人気のお笑い芸人のマネをしたり
 変顔を恥ずかしがらずできたり
 一人でいる子には積極的に話しかけるし
 どんな話題を振っても話に付き合ってくれます
 そんな星の文化を
 みんなに伝えられたらいいです
 よろしくお願いします」
 
異星人として生きてやる
この星に来た役割を果たすために
 
 
 
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(スタッフ・加藤)
 
 
 
 
 

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2017年10月6日  イベント

【10/20 特別講義】児童文学作家・宮下恵茉さんに学ぶ!

児童文学作家の宮下恵茉(みやした・えま)さんによる特別講義を行います。
宮下さんは2007年『ジジ きみと歩いた』から現在に至るまで児童文学作品を執筆しておられ、
もしかすると、小学生の時に読んだ!という人も多いのではないでしょうか。
 
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日時:10月20日(金)17:00〜18:30予定
会場:NA412
★申し込み不要
 
講義タイトルは「書くことは生きること 〜好きなことを仕事にするには」。
誰もがいずれぶち当たる「好き」と「仕事」の関係について、
「好き」を「仕事」にしたプロ作家のお話をうかがいます。ぜひご来場ください!
 
 
 
講師プロフィール:
宮下恵茉(みやした・えま)
大阪府出身京都市在住
梅花女子大学こども学科特任准教授

第15回小川未明文学賞大賞受賞作『ジジ きみと歩いた』(学研プラス)で第37回児童文芸新人賞受賞。
『あの日、ブルームーンに。』(ポプラ社)、「キミと、いつか。」シリーズ(集英社)、「龍神王子!」シリーズ(講談社)、「ここは妖怪おたすけ委員会」シリーズ(カドカワ)など。
 
 
 
 
 
(スタッフ・加藤)
 
 
 
 
 

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