3つのポリシー

2024年度からの教育目標と3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

京都芸術大学学士課程は、「藝術立国」を基本使命とし、教育目標に定める社会の変革を牽引することのできる人材の育成を目的として、「人間力」と「創造力」を身につけた学生に学位を授与します。
「人間力」はおもに、自立した一人の人間として生きるための「知識・情報収集力」「コミュニケーション力」「倫理観」から成り立っています。「創造力」は、芸術の力を社会に活かすための「論理的思考力」「発想・構想力」「表現力」から成り立っています。

人間力 知識・情報収集力 自分をとりまく人間、 社会、 自然に対して開かれた好奇心をもち、自身の学修や企図に必要な知識と情報を、主体的かつ体系的に収集し理解することができる
コミュニケーション力 人間の多様性を理解し、異なる価値観をもつ他者との間に相互理解を形成し、協働することができる
倫理観 自身の良心と社会の多元的な理解に基づき、社会のために芸術の力を活かすことができる
創造力 論理的思考力 所与の情報をもとに、物事を分析的かつ論理的に考えることができる
発想・構想力 感性的な直観と理性的な分析や思考から得られた発想を統合し、具体的な研究・制作へと結びつくテーマや仮説として構想することができる
表現力 テーマや仮説を、適切な媒体・形式によってモノ・コトとして可視化し提示することができる

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

《教育課程編成》

京都芸術大学芸術学部は、教育目標およびディプロマ・ポリシーを達成するため、以下の方針に基づきカリキュラムを編成します。
カリキュラムは、学部共通の「芸術教養科目」と学科毎に開設する「専門科目」から構成され、両者が有機的に連動することにより、ディプロマ・ポリシーに定める6つの能力を体系的に修得できるようになっています。芸術教養科目は選択科目を中心に構成され、学生が自らの学修目的に応じて選択できるようになっています。専門科目はコア・カリキュラムとして精選された必修科目を中心に構成されています。

芸術教養科目

芸術教養科目は、大学の基本使命である「藝術立国」を理解し、芸術を未来社会に活かすうえで必要なリテラシーを身につけることを目的とした7つの科目群から構成されます。教養としての知識・技術を修得することに加え、さまざまな専門領域を学ぶ学生が協働して取り組むプロジェクト型授業や、専門の垣根を超えて学ぶ副専攻を通じて、領域横断的に学修します。

  1. 教養科目群···························· 広く世界や人間を知り、藝術立国の理念を社会で実現するための教養を身につける
  2. 芸術科目群···························· 自身の興味に応じて、芸術に関する理解をさらに深める
  3. コミュニケーション科目群··· 芸術を社会につなぎ、多文化共生の礎を創る
  4. プロジェクト科目群 ············· 学科横断的な環境のなかで、芸術の学びを社会で実践する
  5. 日本文化科目群····················· 藝術立国の理念に基づき、国際社会における日本の伝統文化について理解を深める
  6. キャリアデザイン科目群 ······ 自己と社会に対する理解を深め、自身のキャリア形成を考える
  7. 副専攻科目群 ························ 領域横断的な学びを通じて、主専攻での学びをさらに発展させる副専攻は、新しい未来を芸術で切り開き、社会変革を行える人材を育成するため、専門科目(主専攻)での学びを主軸としながら、分野横断での体系的な学びを通じて、さらなる強み(知識・能力)を獲得し、主専攻での学びを応用・活用するために開設するものです。

専門科目

専門科目は、専門的な知識や理論、表現方法を、入門・基礎・応用・発展と段階的に身につけ、自身の研究・制作テーマを探求することを目的としたコア・カリキュラムから構成されます。すべての学科で地域社会や産業界と連携した社会実装型授業を導入し、芸術を社会に活かすことを実践的に学びます。各学年末には、それまでに学んだ知識や技術を統合し、高次の能力を発揮することを求める統合科目を設置し、1年を通じての学修到達度を測ります。「卒業研究・制作」において、4年間の学修成果として学位プログラムの達成度を測るとともに、その成果を広く社会に発信します。

《教育内容・方法》

初年次教育

芸術教養科目では、とくに「人間力」の基盤を形成し、芸術大学での基本的な学び方を身につけます。学科混成の少人数クラスで課題に挑む「マンデイ・プロジェクト1・2」や、言語的思考を通じ て他者の価値観を尊重することを学ぶ「クリエイティブ・プロジェクト」など、これまでの学びを芸術大学での学びへとスムーズに接続するための入門科目を開講します。
専門科目では、とくに「創造力」の基盤を形成し、各専門領域で求められる知識と技術を獲得するための入門・基礎科目や、4年間の学修目標を理解し、自身で学修計画を立て主体的に学ぶための素養・能力を涵養するための入門科目を開講します。

進路教育

進路教育は、社会の変革を牽引することのできる人材の育成を教育目標に掲げる本学にとって、きわめて重要な教育です。
芸術教養科目に開設するキャリア科目を通じて、本学での学びと社会の繋がりを理解するとともに、専門科目全体を通じて、自身が学んだ知識や技術を、自らの人生および社会のためにどう活かすかを考えます。また、キャリアデザインセンターが開講する正課外のプログラムや担当教員による定期面談など、きめ細やかな進路支援を行います。

教育方法および学修支援

授業の到達目標や評価基準、授業計画、事前・事後学修の内容などはシラバスに明記し、学生に提示します。授業は、グループワークやディスカッション、プレゼンテーションといったアクティブ・ラーニングを多く取り入れるほか、反転学習を活用し、事前・事後学修の充実を図ることで、学生の主体的学修を促します。
4学期制(クォーター制)や週複数回授業を取り入れるほか、CAP 制を設け学生が一度に学修する科目数を制限し、密度の高い学修を実現します。
各学期の始まりには、学生が学修目標や学修計画を立て主体的に学ぶことを支援するために、ガイダンスや担当教員による履修指導面談を実施します。学生は、担当教員とともに、学修管理システム(DPA)を活用して自身の学修状況をふりかえり、学修目標や学修計画を更新していきます。
さらに、一定の要件を満たした学生は、CAP 上限を超えて履修登録が可能となるほか、成績不振学生には専門スタッフが学修アドバイスを行い、改善を支援します。

《学修成果》

成績評価は、学部共通のガイドラインおよびシラバスに記載する各授業の評価方法・基準に則り厳格に行います。学生自身が到達度を把握できるよう、一部の科目をのぞいてルーブリックを導入します。成績や単位修得状況、GPA、外部試験結果等は DPA を通じて学生に提供し、学生は自身の学修成果をいつでもふりかえり、学修計画に役立てることができます。

アドミッション・ポリシー(求める学生像および入学者選抜の基本方針)

京都芸術大学芸術学部は、「藝術立国」の基本使命に基づき、芸術による社会の変革をめざしていくために、ディプロマ・ポリシーに掲げる「人間力」と「創造力」、およびそれらを構成する「6 つの能力」を身につけた人材を育成します。
そのための入学者受け入れ方針として、本学の基本使命や教育目標に共感し、芸術を学び、芸術を社会に活かそうとする意欲を有していることに加え、以下のような資質・能力がある者を求めます。
また、入学者選抜法としては、入学者に求める資質・能力をより適切に評価するために、多様な選抜方法を実施し、多面的・総合的な評価を行います。

【入学者に求める資質・能力】

  • 生涯を通じて学び続けるための基盤となる、基礎的・基本的な知識・技能を有している。
  • 知識・技能を活用して、答えが一つに定まらない課題も解決できる思考力・判断力・表現力を有している。
  • 主体性を持って行動し、多様な人々と協働して学ぶ態度を身につけている。

【入学者選抜方針】

体験授業型選抜(Ⅰ期・Ⅱ期)

  • 授業に臨む姿勢に、授業を通して新しいことを学びとろうとする探究心が見られるか。
  • 初めて取り組む課題であっても、積極的に挑戦しようとする行動力が見られるか。
  • 出された課題に対して、様々な可能性を比較検討した上で自らの答えを導き出す思考力、発想・構想力が見られるか。
  • 授業を通して、教員のアドバイスや他の学生の考え方に耳を傾け、相互に理解しようとする努力が見られるか。

科目選択型選抜(Ⅰ期・Ⅱ期)

  • 高校までの基礎的な学習に実直に取り組んできた継続力が見られるか。
  • (鉛筆デッサン)芸術を学ぶ上で必要な基礎力としての「観察力・構成力・表現力」が身についているか。
  • (小論文)芸術を学ぶ上での基礎力としての「読解力・論理的思考力・文章表現力」が身についているか。
  • (国語・英語)高校までの基礎学力「基本的知識・文章読解力等」が正しく身についているか。

面接型選抜(Ⅰ期・Ⅱ期)

  • 高校までの基礎的な学習に実直に取り組んできた継続力が見られるか。
  • 芸術に限らず、部活動、ボランティアなど情熱を持って打ち込んだものがあるか。
  • 本学で自分を成長させようとする意欲があるか。

大学入学共通テスト利用型選抜(Ⅰ期・Ⅱ期)

  • 高校までの基礎的な学習に実直に取り組んできた継続力が見られるか。
  • 芸術を学ぶ上での基礎力としての「基本的知識・文章読解力・論理的思考力」が各教科において身についているか。

外国人留学生選抜(Ⅰ期・Ⅱ期)

  • 高校までの基礎的な学習に実直に取り組んできた継続力が見られるか。
  • 芸術に関わる知識や技術を身につけてきたか。
  • 就学するための十分な日本語能力およびコミュニケーション能力があるか。
  • 本学で自分を成長させようとする意欲があるか。

外国人留学生 日本留学試験利用型選抜

  • 高校までの基礎的な学習に実直に取り組んできた継続力が見られるか。
  • 芸術を学ぶ上での基礎力としての「基本的知識・文章読解力・論理的思考力」が各教科において身についているか。
  • 就学するための十分な日本語能力があるか。