ランドスケープデザインコース 加藤一平
浜町青空公園
既設の「浜町公園」を改修して「青空」と「街並み」と「緑」で美しい景観をつくる。
浜町公園は、関東大震災後の1929年に東京の都心に開園します。
当初は西欧風の美しい公園でしたが、1990年代に「体をきたえ心を育む」という理念の下に運動場と体育館が建設され「緑」の面積は1/3になり、たくさんのビルも建ち、初期の美しさが徐々に薄れてしまいます。
大切な運動場と体育館を活かし、残った「緑」に「青空」と「街並み」を加え、小さな空と、たくさんのビルの「乞わんにしたがいて」、「美しい東京の風景」をつくりたいと考え「浜町青空公園」という景観を提案します。
美しさについてカントは心(感性)で感じるものと示します。また、「ものによって心をつくりだせるのか・・・物理の世界において道徳や美の存在をどのように理解したらいいのか・・・」[註1]という心の世界に慎重な理念もあります。
さらに、風景と景観について「・・・心に映じかけ、働きかけられたものを“風景”、心に映じかけている物(客体)を“景観”と定義できるのではないか・・・」[註2]という心の存在と風景と景観についての理念があります。これらのどの理念にも共感します。
そして私はふる里の風景に癒された経験から、心の世界は存在すると考えます。
青空とは、広い青空を見たいという気持ちと、心の世界を表した言葉として用いています。
美しいものとは、モノ(自然)の心(内的形相)と心が対話し、調和したもの。具体的には、大きな石と小さなサツキが寄り添って調和した世界を美しいものと考えます。
風景とは、既述のように「心に映じ、働きかけるもの」。
景観とは、その客体。
街並みとは、人の心・本性そのものであり、それが暮らしという姿で現れたもの。
以上の考えを基に「青空」と銀杏並木と清州通りの二つ軸線と、その軸線上の彫像や緑の心が対話し調和して「美しさ」が生まれ、その美しさが人の心に映じ働きかける起点となること。
さらに、その美しさに「パノラマ景観・シークエンス景観・シーン景観」の三つの景観演出を加え、時の流れとともに深まる心に「美しいふる里の風景」が生まれることを願い「浜町青空公園」を提案します。
[註1] 西研 編集:日本放送協会・NHK出版『NHN 100分de名著 カントの純粋理性批判』
NHK出版 2020年 19貢 7行目
[註2] 編集責任:高梨武彦『木と森の生態そして花の意匠』京都造形芸術大学
1998年 初版第1刷 160貢 7行目
加藤一平
ランドスケープデザインコース
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