空間演出デザインコース 松本 悠【コース奨励賞】
コーヒーコンポストを主材とする土に還る器
「BTO COFFEE」
コーヒーをコンポストし土に還る器をつくる
毎日世界中で大量に消費されているコーヒー
「飲んで終わりではなく、その出し殻も有用な資源にならないだろうか」
そうした想いからコーヒー殻の再利用に関する私の研究と試行錯誤が始まりました
モノをつくり、時には他の人と一緒に手を動かしながら意見を聞き
それをまたモノづくりに反映させていくことを約一年経った今でも繰り返しています
環境のためと謳う一方で
余分な材料や人工的な熱・電気を使用していては意味がなく、活動が広がっていかない
多くのアップサイクルの方法が抱えるそうした問題をクリアするとともに
より大量のコーヒー殻を活用することができるコンポストと出会いました
庭にコンポスターを設置して堆肥作りを始めると
多孔質であるコーヒー殻の吸水・防臭性
さらには豊富な栄養が土づくりに大いに役立ちました
とても相性が良い活用方法だと実感し
「自分で作った土で植物を育ててみたい」と考える様になりました
しかし、コンポストは豊富過ぎる栄養ゆえ薄めて使用しなければならず
せっかく完成しても自宅で使用するだけでは持て余してしまいます
農業に関わる人やガーデナーの方にお話を伺ったところ
「内容物や品質が管理・保証されていない土は、業務では使いづらい」とのこと
また、堆肥の回収イベントが行われることもありますが
地域・場所、日時も限定されており、ここでの処理も難しい
コンポストが普及するにつれ、こうした問題はより大きくなっていきます
「土だけでなく、器もこのコーヒーコンポストで作れないだろうか」
「自然のモノだからこそのデザインを提案したい」
多くの人や言葉に出会い手を動かしていくうちに、こうした考えが強くなっていきました
完成した器だけでなく、新しい循環のための活動すべてが私の作品です
そうして少しずつ変わっていくモノと私の活動に興味を持ち
「コーヒー殻をそのまま捨てることはもったいない」と感じる人が
少しでも増えることを願って活動を続けていきます
instagram| <a href="https://www.instagram.com/cof_dou/" target="_blank">@cof_dou</a>
コーヒー殻を造形素材として使用するために試行錯誤を繰り返してきました。研究と観察を通して、コンポストの中で発酵させることで粘性を持ち、有機的な形作りに利用できることが分かりま した。
作品の強度を高めるとともに環境配慮されたモノづくりとするため、混ぜ合わせる素材や配合、圧力の掛け方を実験してきました。
コンポストの熟成状況や気象条件などコントロールできない要素が多いモノづくりとなりますが、手を動かし実験を続けたことで土の状態に合わせた対応や道具の使い方を学ぶことができました。作れる形や大きさといった表現に幅が出てきており、今後も手技を磨いていきます。
卒業制作の作品となった器のカタチはコーヒーのプラスチックバッグをモチーフにしています。「分解されない物を、土に還るモノにつくりかえる」ことで自然循環というメッセージを込めています。
制作・研究の詳細についてはインスタグラムに記録しています。完成した器だけでなく、コンセプト立案までの活動も私の作品だと考えており、そうした経過についてご覧いただけます。今後の活動や作品についても投稿していきますので、興味を持たれた方はぜひフォロー頂ければ幸いです。
最後に印刷物やSNSコンテンツに使用するロゴを紹介します。「器づくり同様、手作業による造形にこだわってみては」という先生方のご助言からアイデアが発展しました。ロゴは自分の卒業制作に対する姿勢がよく表れた作品・工程だと感じます。 卒業制作での試行錯誤、学びを忘れず、今後も手を動かし続けていきます。
松本 悠【コース奨励賞】
空間演出デザインコース
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