空間演出デザインコース 楠田 夕美【コース奨励賞】
佐渡船箪笥 ー伝統を後世へ引き継ぐー
民藝運動で知られる思想家 柳宗悦も感動させた「船箪笥」という和箪笥がある。
船の中へ金庫の役割として持ち込まれた箪笥で、他に類を見ない豪華絢爛な、際立った性質を持つ伝統的工芸品である。
船箪笥の日本三大産地は新潟県佐渡・山形県酒田・福井県坂井だが、江戸時代に金銀鉱山で栄えた佐渡は、中でも一大産地だった。
山形・福井県では伝統を受け継ごうとする動きがあるものの、佐渡 船箪笥は既に職人が途絶え、今や人々の記憶の中からも消えそうになっている。
次の世代で消えてしまうかもしれない伝統的工芸品を、絶滅危惧工芸品といい、海外ではレッドリストも存在している。
佐渡 船箪笥のように世界からも注目された工芸品でさえ、人々が守らなければ絶滅してしまう。
全国を調査すると、絶滅(危惧)工芸品を復興させた例がいくつもある。
成功例として分析すると、共通点が見えてきた。
「技術を受け継ぐ」「多くの人に楽しんでもらう」「プロモーションを行う」
この3つの視点を柱とし、
「SAVE THE ENDANGERED CRAFTS PROJECT」を立ち上げた。
伝統的工芸品は、地域性を表し、歴史を残し、当時の価値観や生活ぶりを教えてくれる。
日本全国に陽が当たらない絶滅危惧工芸品がある。
佐渡 船箪笥を通して絶滅危惧工芸品が生き残る方法を模索し、これを読んでいるあなたにも、自分のお気に入りを見つけてもらいたい。
<a href="http://funadansu.com" target="_blank">funadansu.com Webサイト</a>
佐渡船箪笥の現状には複数の問題点が見られた。伝統的工芸品の中には、「絶滅しかけた/ 歴史の中で一度は絶滅したが再復興した例」がいくつもある。復興例を分析すると、共通点があることがわかった。「技術を受け継ぐ」「多くの人が楽しむ」「プロモーション」これらが確立されており、今も活気があることが伝わってくるのだ。
佐渡船箪笥を後世へ受け継ぐために何ができるかを考えた。そこで、本プロジェクトを立ち上げる事にした。目的は名前の通り、絶滅危惧工芸品を救うことだ。
船箪笥の一番の特徴は、緻密で豪華な金具にある。金具職人は、もう佐渡にはいない。魅力を伝えるため、船箪笥の金具によく使われる紋様「菊・鶴・蔦・松・雲・竹」を現代風にし、6 つのテキスタイルを作成。船箪笥の用途であった、財布・筆箱・バッグを製作した。
一大製造地であった佐渡小木町の観光プロモーション動画など、船箪笥全体を網羅するウェブ サイトを設立した。FUNAtoKI やKANA_MON につけられたQR から、funadansu.com へ誘導する。
楠田 夕美【コース奨励賞】
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