グラフィックデザインコース 小林 絵美子
SHINsyu new folk art
信州の風土が紡ぐ古き美しきもの、いま新たに。
ブランディングを主軸に据えたプロジェクト
このプロジェクトは、信州に根付く伝承文化を新たな形で「彩り」、現代の若い世代に伝えることを目的としています。信州は美しい自然と共に、四季折々の風土に根ざした暮らしを営んできた土地です。その中で、先人たちは地域の民俗文化を育み、祭りや儀式、工芸品などを通じて自然への感謝や願いを表現してきました。しかし、近年の過疎化や高齢化の影響で、特に山間部ではそうした文化が失われつつあります。
私はこれらの民俗文化を現代の視点で再解釈し、日常に溶け込むデザインとして生まれ変わらせることに挑戦しました。モチーフとしたのは、信州の祭りや儀式などの装飾品や民俗文化。それらの要素をもとに、天井絵やマジョリカタイルから着想を得た図柄を制作し、キャンバスやグッズ、ビジュアルブックなど多様な形で表現しました。
プロジェクト名に込めた「新たに彩る」という言葉には、次世代に向けて伝統文化の価値を再認識してほしいという願いがあります。それは、過去をそのまま受け継ぐだけではなく、現代の感性を加えて新しい息吹を吹き込む試みです。文化を未来へ紡ぐことは、単に守り続けるだけではなく、新たな価値を創造することだと考えています。
このプロジェクトを通じて、信州が持つ民俗文化の魅力を一人でも多くの人に感じてもらえれば幸いです。
信州の祭りや儀式、民間信仰、風習をモチーフにデザインした15種類の図柄。
左:子どもの健やかな成長を願う行事。うるち米の粉で作った『ねじ』を食べて、無病息災を祈る。
右:酒宴とともに、独特の舞が披露される。踊り終えた後、参加者は一斉に鳥居の外を目指す。逃げ遅れた人は『厄持ち』となる。
左:全国の神様をお迎えし、もてなす儀式。太陽や命の復活を祈る。
右:その年の豊作や凶作を占う。山伏が観客を笑わせながら、儀式を進める。
伝承文化をモチーフにした絵柄を、現代のアイテムに取り込む。
信州の伝承文化をモチーフにしながらも、現代のインテリアに溶け込むデザインに。
左:ビジュアルブックの表紙 右:裏表紙
ビジュアルブックでは、各絵柄に込められた願いや、そのもとになった伝承文化・風習について解説しています。解説を読むことで、絵柄への理解が深まり、その背景にある物語をより身近に感じられるはずです。
ロゴマークに込めた想いと、日常の中で自然に使われるアイテムの姿を紹介。
小林 絵美子
グラフィックデザインコース
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