空間演出デザインコース 大熊 理以
路地から露地へ ―大阪市旭区 農園を中心とした交流の場づくりの提案―
2020年、新型コロナウィルス感染症の拡大は私たちの生活や行動に大きな影響を与えました。今までできていたことができない、やりづらい、新しいやり方の模索、価値観や考え方の変化など、さまざまなもの、そして気づきを私たちにもたらしました。
卒業制作のきっかけは感染症の拡大で外出自粛、在宅勤務が続くなか、ある光景―近所の路地で家の前で育てている植物を話題に会話が始まる光景-を目撃したことから始まります。それは在宅勤務や生活の変化でストレスを抱えていた私にはとてもまぶしく映りました。そこから、自分の住んでいる地域についてなにができるかを考え、卒業制作に発展させました。
私の住む大阪市旭区は、大阪市の東北部にある下町の風景が残るまちです。大阪の中心地にも近く、淀川沿いには自然が豊かな環境です。しかし、高い高齢化率、都市部ゆえの単身者世帯の割合が高いこと、長屋など昔の面影を残す建物の空き家化や老朽化により変わりゆく街並み、新型コロナウィルス感染症の拡大による地域の交流行事の自粛などから地域交流について考るようになり、そこから単身世帯でも参加できる、世代に関係なく、好きなこと、興味のあることでつながる場をできないか、それが制作の原点となりました。
本制作では、旭区内にある建設局自転車保管所を本制作の計画地として設定、現在ある建物をリノベーション計画と敷地の利用計画を行いました。
敷地には貸し農園と広場、ふれあい農園をつくり、レクリエーションだけでなく身近に畑があることにより農業問題や防災、環境についても考える場として、また畑にまつわることから様々な問題を考えたり気づいたりする機会となるコトの提案をしました。地域のひとたちの新たな交流の場として、路地の光景を露地へとつなげていきます。
本企画の場所として大阪市旭区大宮1丁目にある大阪市建設局自転車保管所を設定しました。 建設局自転車保管所は旭区役所、税務署などが近くにある行政の中心地に近く、旭区内でも居住者の多い高殿・大宮地区に隣接した場所です。周囲は公園のほか、近くを流れる城北川沿いはランニングコースや散歩コースとなっています。
敷地は農園利用者や一次的な利用者(セミナーやワークショップ)が利用できる会員専用のエリア、誰でもが入れる2つのエリアに分けている。交通手段として徒歩と自転車としており、駐輪場を西側に配置(50台駐輪可能)した。貸農園には一区画10平米(4m×2.5m)の30区画の畑が作られている。
建物は1階部分をカフェと会員専用のエリアに分けた。カフェから受付を通れば、会員エリアの行き来が可能となっており、シェアオフィスの利用者も気軽にカフェが利用できるようにしている。2階部分は会員専用エリアとなっており、北側の正面玄関(会員専用)またはカフェ側の出入り口を使って入り、階段またはエレベーターであがる。2階の半分はシェアオフィス・コワーキングエリアとした。
大熊 理以
空間演出デザインコース
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