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どこかにある君の扉 ― 心の扉をひらく旅 ―

イラストレーションコース 磯野 秀美 (Demi_HLWn)

CLIP STUDIO PAINT によるデジタル制作。
B5相当・全20ページのサイレント漫画。RGBで制作し、Web公開向けに色彩を最適化。

『どこかにある君の扉 ― 心の扉をひらく旅 ―』 は、
日常の中にそっと存在する“心の扉”を開き、勇気を持って一歩を踏み出す姿を描いたサイレント漫画です。
家族になじめない少女が家を出て旅を続け、出会いや人からの励まし、自然風景からの印象を通して、楽しさや絶望を行き来しながらも希望を求めて成長していく物語を、言葉を使わず視覚表現のみで構成しました。20ページ構成の右綴じサイレント漫画として制作し、Web公開を前提に色彩やコントラストを最適化し、光と色と構図だけで心の旅路を描くことを目指した作品です。
本作では、”色と光を心情の象徴として扱うこと”を重視しました。
希望は光(黄色)、絶望は暗闇(濃い青)で示し、心の揺れや変化を人物背景や、コマの縁の色に使い、色彩の移り変わりで表現しました。
絶望の濃い青は、世界が”透明な青の膜”を通して見えるような歪な感覚をイメージして選んでいます。
また、物語の核となるモチーフとして「扉」を配置しています。扉は「自分でそこまで歩き、自分で開ける必要がある」存在であり、主人公が自らの意思で未来を選び取る“推進力”を象徴するものとして用いました。
表現面では、停滞や絶望の場面をモノクロ化し、深い落ち込みの瞬間には白黒反転を用いることで、感情の底を視覚的に示しています。気づきの場面では部分的に色を戻し、心の回復を段階的に描きました。
また、心から発する優しさや思いやりといった温かな感情は、輝く光として表現しています。
さらに、夜から黎明、朝へと移り変わる空の色を複数日にわたり観察し、Page11〜18の色彩に反映させることで、時間帯の変化と心情の変化が自然につながるよう工夫しました。
構図面では、建物や道、手の向きなどを使って視線を扉へ導く導線を設計し、読者が迷わず物語を追えるようにしました。表情は漫画調で描き、感情のピークでは拡大コマを用いて印象を強めています。
終盤では、旅を続ける中での時間の経過と成長の象徴として、身長の変化をさりげなく取り入れました。自然の光の中で主人公自身が輝く姿を描くことで、心の扉を開いた“成長の瞬間”を象徴的に示しています。
もちろん、この先にも扉を開ける旅は続いていきます。主人公の目線の先には、新しい輝く扉が待っています。

Page2(家を出る) 新しい場所を求めて家を離れる少女。胸に不安を抱えながらも、自分の足で未来へ進もうとする静かな決意を描いた場面です。

Page4(神殿の町に到着) 旅の途中でたどり着いた神殿の町。光に包まれた景色は、少女に小さな希望と新しい出会いの予感をもたらします。

Page5(友人との出会い) 神殿の町で出会った友人との最初の場面。思いがけない出会いが、少女の旅に安心と心強さを与えていきます。

Page11(夜明け前、手をつないで走る) 夜明け前の薄明かりの中、二人は協力して神殿を目指す。互いを気遣いながら進む姿が、旅の大切な一歩となります。

Page16(別れと絶望) 友人だけが扉へ進み、自分は進めない現実に気づく瞬間。世界が色を失うような深い孤独と戸惑いが押し寄せます。

Page17(ロボット神官の励まし) 絶望の中で出会った神官の言葉が、少女の心に静かに届く。誰かの支えが、再び前へ進む力を思い出させてくれます。

Page20(輝きを抜けて) 旅を続け、少女は光の中へ踏み出す。朝日の輝きが未来への道を照らし、物語は希望へと向かいます。

磯野 秀美 Demi_HLWn

イラストレーションコース

CONTACT

子どもの頃から物語に親しみ、読書や映画、アニメを通して登場人物の心の動きや物語の余韻に惹かれてきました。
長い社会人経験を経た後、2018年に心を揺さぶられる作品と出会ったことをきっかけに、自分でも物語を書き始め、挿絵を描きたいという思いからデジタルイラストの学習を始めました。
その後、物語の世界をより深く表現したいと考え、京都芸術大学でイラストレーションを学んでいます。
制作では、物語の“語られていない部分”を静かに補うことを大切にしています。
人物の感情を描きすぎず、光や色、余白の扱いによって読者が自由に想像を広げられる余地を残すことを心がけています。

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