刺繍装飾イラストレーション「熊童子」
ーその娯楽性についてー
イラストレーションコース 杉村藍
【アナログ作品】
サイズ:直径24cm
画材:帆布/コピックマーカー/刺繍糸/ビーズ
デジタル作画のイラストレーション作品が主流である現代においても、アナログ作画のイラストレーションは人気です。
そこにはデジタル作画にはない身体的アプローチーー例えば、さまざまな画材を扱うためのそれぞれ異なる技術や、コントロール不能な滲みの表現、失敗した部分の修復が容易ではない不可逆性などーーが存在します。
また、実物としての完全な複製ができないという唯一無二性もアナログ作品の魅力であり価値であり、特徴です。
そういったアナログ作品の性質および新しい娯楽性を模索・発信したいと思い、「刺繍装飾を施したイラストレーション」を研究制作しました。
イラストそのものを刺繍という手芸的要素で構成する作品はすでに世の中に存在しますし、絵画ジャンルでは下地材などを用いた半立体的な表現も一般的ですが、コミックイラストレーションの分野で立体的な刺繍とイラストを融合させる作品はあまり見ることができません。
その中にあって、本作品は布に対してコピックを用いたイラストレーションを描画し、背景等には刺繍をすることで、イラスト作画部分と刺繍部分が融合した時の見た目や、糸の一本一本で作られる影の立体的な面白さなどの鑑賞も楽しめる作品です。
今回、私が描き出したい「カワイイ」世界を、一般的な刺繍作品のモチーフとして相性の良い「植物」とかけあわせ、キャラクターイラストとしました。多肉植物である熊童子のコロンとした特徴的な形を立体的に刺繍することで、描くというだけでは不可能な視覚的な面白さを表現しています。
加えて、制作工程や学びを研究記録としてまとめました。
これらの発表を通して、このようなイラストの手法やアナログで制作するという身体的な娯楽性について思いを巡らせること・巡らせてもらうこともまた、イラストレーションの娯楽性ではないかと考えています。
作品全体像
杉村藍
イラストレーションコース
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