雪景色春賑(せっけいしゅんぎ)
日本画コース 板東 麻美 (板東 里佳)
同窓会賞
162.0 x 130.3 cm
紙本 / 岩絵具、水干絵具、墨、膠
十勝川は、北海道中東部を流れる一級河川である。自宅から車で十分ほどの場所に架かるすずらん大橋から西へ視線を向けると、芽室岳を前景に、日高山脈を背景とした、蛇行する十勝川の雄大な風景が広がる。冬の河岸には常緑樹が少なく、白樺を中心とした落葉樹が立ち並ぶ。葉を落とした枝先は白くかすみ、十勝ならではの静かな冬の表情を見せている。
本作は、百号の卒業制作として、この風景と向き合いながら制作したものである。水の流れを説明的に描くことを避け、写生を超えて、十勝の早春に漂う空気感や空間の広がりを象徴的に表すことを試みた。三月の氷点下に残る雪の白、芽吹き始めた梢の淡い色、群生するケショウヤナギのやわらかな桃色、漂白された牧草の色彩が静かに重なり合う。融雪水をたたえて大きくうねる河面と、靄に包まれた山脈との対比を通して、季節の移ろいと風景のスケールを感じ取っていただければ幸いである。
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