Green Buddhism
自然とのつながりを思い出す仏教の教え
イラストレーションコース 島田奈実
コース奨励賞
カードサイズ:縦127mm × 横178mm
本作品は、仏教の教えをもとに「自然とのつながりを思い出す」ことをテーマに制作したオラクルカードです。
このカードが示すのは答えではなく、あなた自身がすでに持っている感覚への入り口です。自然と共に生きてきた人間のやさしさや調和の感覚を呼び起こし、あなたと自然、そして世界をやさしく結び直す存在になることを願って制作しました。
環境問題に向き合う中で私が感じたのは、世界を変える出発点は制度や義務ではなく、一人ひとりの「心のあり方」だということでした。
リサーチを通して出会った Green Buddhism(グリーン仏教)は、仏教の智慧を環境倫理へとひらき、自然を「外から守る対象」ではなく、「心と共に調和させていく存在」として捉える思想です。縁起・慈悲・中道といった仏教の教えは、人と自然が響き合いながら生きるための視点を与えてくれます。
私はその中でも「縁起」に着目しました。世界は独立した存在の集まりではなく、無数の関係性の網の目でできています。花が土や水、光、季節に支えられて咲くように、私たちの感情や行動もまた環境や出会いによって育まれています。自然とのつながりを思い出すという小さな気づきは、心に波紋を生み、その波紋が静かに周囲へと広がり、世界を少しずつ心地よい方向へ整えていくと考えました。
本作品では、仏教の実践の道である「八正道」をもとに、Green Buddhism の理念と重ね合わせたメッセージを添え、8つのカードを制作しています。それぞれのカードは、自然との共存を思い出すための小さな気づきとなり、日常の中で静かに実践できる指針として構成しました。
表現面では、伝統的な仏画の形式にとらわれず、自然のエネルギーや生命のリズムを感じさせる自由な表現を目指しました。仏教はインドから各地へ広がる中で、その土地の文化や信仰と溶け合い、多様な姿へと変化してきました。その柔軟さこそが仏教の魅力だと感じています。また、曼荼羅や仏画に見られる左右対称の構造にならい、シンメトリーを取り入れることで、静かに見つめるうちに心が自然と整うようデザインしました。
8枚の「八正道」実践カードです。カードから得るインスピレーションと解説書を合わせて読むことで、自然とのつながりを思い出し、それが知識を得たり、癒しの体験となるようにデザインされています。
解説書ではカード別に「八正道」の教えと、それぞれの教えのGreen Buddhismの理念を説明します。
カードの裏面の曼荼羅は「気づきは波紋と なって広がり、 世界を静かに変えていく」という理念をビジュアル化したものです。太陽や大地の生命力をイメージしてホログラム加工を施しました。
メッセージカードやギフトとして、身近な誰かへ想いを繋げるツールとしても使えるようにデザインしました。カードは2L判サイズのフレームに入れて飾ることもできます。
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