中林 梧竹研究に向けて〜草書から金文へ〜
書画コース 泰間 万里子
手漉画仙紙(明鏡)半切サイズ 金文 中林梧竹「王羲之朱処仁帖の臨書」。
中林梧竹が臨書した王羲之の「朱処仁帖」草書の作品を金文に翻訳した。中林梧竹の特徴でもある「線を点線で書く」「余白の多さ」に加えて、文字をさらにアレンジし、紙いっぱいに理路整然と文字を並べてみた。気に入っている文字は「得、足、其、可、令」の可愛らしさである。「足」が短足でキック、「得」のキョトンとした感じ、「其」が子犬の顔に耳がついているようなど、イラストの如くひょうきんさを表現。「可」は「点線で線を書く」という梧竹の特徴を捉えることができたと感じている。
中林梧竹を研究対象とした理由の一つに、文字を正しく美しく書くということはもちろんのこと、文字の意味、表現の意味を作品から目でも感じられるよう、作者も鑑賞者も共に「書を楽しむ」「書から楽しめる」ということができる表現を目指している。
泰間 万里子
書画コース
小学校から高校卒業まで、雪心会所属の書道教室で書を一から学んだが、大学受験を理由に稽古を断念した。自分で決めたことではあるが、本意ではなかったため、長年心の奥底に封印していた書を、本学の通信課程で学べることを知り、定年前の最後のチャンスだと決意して、40年ぶりに初心に戻って飛び込んだ。今まで実技しか学んでこなかった書を、講義の面でも学ぶことによって、知見が広がる機会を得られたことに感謝したい。
研究対象とした明治の三筆の一人である「中林梧竹」を題材に卒業制作に取り組んだが、まだまだ十分でないにせよ、思いのほか楽しんで研究に取り組むことができた。梧竹を紹介して私の見る世界を広げてくださった先生にも感謝したい。
研究している中林梧竹のトリッキーな作品から学んで、さらに「面白く感じる書」を鑑賞者にも味わっていただけたらと作品を制作した。
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