里山
グラフィックデザインコース 小林 加奈
形式:アートブック
サイズ:B5(182×257mm)
ページ数:152ページ
製本:無線綴じ
素材・技法:水彩、切り絵、コラージュ、手描き、自然物の採集
里山を「説明する」ための本ではなく、
ページをめくりながら、探検するように自然へ入っていく体験をつくることを目的としたアートブック。
人が里山と関わらなくなることで、生き物の生息地が失われ、多くの動植物が姿を消していく現場を目の当たりにしてきた。
その一方で、里山には今もなお、人と自然が関係し合いながら育まれてきた豊かな感覚や営みが残されている。
本作では、写真やテキストによる直接的な説明を極力省き、
図形的で抽象度の高い表現から始まり、ページを進めるにつれて有機的なかたちへと移ろっていく構成を採用した。
これは、知識として理解されていた自然が、体験として感じられるものへ変化していく過程を、視覚的に重ね合わせたものである。
各見開きは、一枚一枚がポスターとして成立する強度を意識し、一定ではない、風のようなリズムでページをめくる構成とした。
章のはじまりには、その世界へ入っていくための扉となるビジュアルを、章末には意味を断定しない短い言葉を配置している。
読み手が立ち止まり、覗き込み、
自分なりの感覚や解釈を見つけていく。
本作は、里山を「理解する」ための本ではなく、
関係を結び直すための入口としての本である。
ページをめくることで、視線と感覚がゆっくり動き出す。 余白を大きく取り、最初に情報を与えすぎない構成にしている。
重なりや抜けによって、見えるものが変わっていく。 切り抜き加工を用い、前後のページが干渉する構造にしている。
読むというより、ペースを感じながら進む。 ページ構成に強弱をつけ、一定にならないリズムを意識している。
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