有物混成
From Non-being to Being
(大学院)日本画分野 Norton ColeWilliam
領域奨励賞
連作 S0号(180x180mm) 100枚
雲肌麻紙、金箔、プラチナム箔、銀箔、岩絵具、土絵具、ピグメント、金泥、プラチナム泥、胡粉、墨、朱
本連作は、日本画の伝統的な素材と技法を用い、人間の内側に広がる「小宇宙」を探索する試みである。
古来、日本画において金線や岩絵具は、神仏や魂といった目に見えぬ尊きものを描くために使用されてきた。私はこの伝統的な「聖なる語彙」を、現代に生きる私たちの肉体へと転換させる。
展示される100枚の0号作品は、細胞の連なりのようでもあり、あるいは絶え間なく移ろう意識の断片のようでもある。長年のアスリートやダンサー、身体表現者でもあるそれぞれのモデルたちとの対話を通じて掬い上げられた、肉体から生まれる表現が、精神という「形なきもの」へと広がりを見せるものだ。
画面に走る金の線は、混沌の中から形が立ち現れる瞬間の光を象徴している。それは、精神が肉体という器を得て、この世界に受肉していくプロセスの可視化に他ならない。また、天然由来の素材を用いることは、私たちの身体が母なる大地の一部であり、宇宙を構成する元素と等価値であることを再認識させる。
特に本シリーズでは、万物の根源的なエネルギーとしての「陰(女性性)」に焦点を当てた。受容し、育み、変容し続けるそのポーズの集積は、現代社会において見失われがちな「生命の神聖さ」を静かに問いかける。
100の断片が織りなすこの空間を歩むとき、鑑賞者自身の内側にある「小宇宙」と、作品が共鳴することを願っている。
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