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春愁 〜水辺に咲く仏炎苞〜

(大学院)日本画分野 吉澤 美千代

・120F 横構図(1303㎝×1940㎝)
・素材(高知麻紙・墨・水肥絵具・岩絵具・箔
 天然砂(サンドマチエール)絵絹

北の大地に精霊を探す
北海道東部・十勝平野の真ん中で生活する中、心に染み入る美しい自然を作品にしなければならないという強い思いがあった。北の大地は力強く全てのものを守っていて、山々から流れ出た水は生命に活力を与えてくれる。草木や花は春を迎えいっせいに咲き始め輝き、皆が癒される。その美しさに精霊がいてもおかしくないと感じた。
早春、野草園で池の水辺に二つの仏炎苞、水芭蕉と座禅草が神々しく輝いていて、この春を感じる景色を作品にしなければならないと強く思った。制作において池の水面をどのように表現し、そこに映り込む樹木の影が作品に、奥行きをもたせることができるか模索をかさねた。水芭蕉と座禅草は仏炎苞の仲間であるが、見た目は正反対であり、この異なる仏炎苞をどのように描き、作品として成立できるかをテーマとしている。水芭蕉は女神、座禅草は尼僧として、自然に存在する精霊の神秘性を描き分けるため、作品制作において様々な技法を試みている。その一つが枯葉を絵絹で表現したことである。日本画の基底財として使われる麻紙と絵絹は、相性が良いのではないかという発想と立体感を期待し、また、独創性や個性も画風に必要だと考えたからである。
自然に存在する精霊を描く最初の作品であり、今後も自身の作品制作の礎として続けたい一つとなった。

座禅草
水芭蕉
水面と樹木の影
絵絹による枯葉
箔表現

吉澤 美千代

(大学院)日本画分野

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