ランドスケープデザインコース 古館一弘
鎌倉学オープンセンター ~鎌倉を開く~
鎌倉学とは、明確な定義や学会などは存在しませんが、鎌倉の社会・歴史・自然など様々学問分野を統合した地域学です。
武家の都、文学者の集った街、海水浴の拠点、江ノ電といったソフトな魅力、そうしたものがモザイク状に散らばっている鎌倉の魅力を、学問という形で収集・分析・発信する拠点の欠如が、長年問題となっています。
一方で近年、鎌倉では市役所の移転計画があり、西側に比較的少ない観光拠点として、効果的に鎌倉の魅力を発信するのに適した場所である市役所跡地を、いかに活用するかについても、課題となっています。
コンセプトは、「鎌倉を開く」です。十分に発信できていない鎌倉の歴史・文化・社会の魅力を作り、集め、発信する場所を作れないかと考えました。
鎌倉の工芸作品を展示・体験制作できる場所、暫定リストに入っている鎌倉の世界遺産としての魅力を普及・啓発する場所、市役所派出所としての機能や情報公開機能を担う場所、定期的なイベントで地元企業等が住民や観光客と交流できる場所、鎌倉の文化財等の収集・分析・発信を行う場所、近隣大学のゼミのサテライトとして研究内容を展示する場所、鎌倉に関する文献を収集・整理する場所、これらを集め、鎌倉学を発信する拠点として機能することを想定しています。
鎌倉の庭園の特徴を活かし、また、鎌倉に由来のある草木を集め、鎌倉の魅力を学べる場所にしています。
鎌倉駅西口から最初に目にするオープンスペースでは、三角形のブロックに座ってキッチンカーの料理を楽しんだり、ブロックのアートを楽しんだり、となりのこども園や小学校などのイベントに参加したり、賑やかなひとときを楽しめます。
竹林のゾーンは、建物に囲まれて竹林の中で静かな時を過ごすことのできる場所です。従来あったビオトープの植栽をなるべく残し、ファサードから眺められるようにしています。
花木のゾーンでは、南側の御成小学校から北側へ抜けるビャクシン並木の一本道を中心に、先程あげた鎌倉の特性を生かした草木を植えています。草木には表示板を設け、鎌倉との繋がりを学べるようにしています。
切岸のゾーンでは、切岸の岩肌の露出した斜面を借景にした池泉庭園となります。休憩所はなるべく武家造に近い形とし、鎌倉時代に武家が思いを馳せたであろう光景を楽しめます。
古館一弘
ランドスケープデザインコース
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