芸術教養講義6

日本や東アジアの暮らしの基層にある伝統文化の成り立ちを反省します。

はじめに - シラバス -

担当教員からのメッセージ

芸術教養講義6を担当する野村朋弘です。
本科目では、「伝統」という抽象的な概念を再考していきます。漠然と「伝統的なもの」は、「古くからあり、守られていたもの」というイメージがあります。
しかし、一つ一つの文化・芸術を丁寧に見てみると、それぞれが生き残る努力を常に行っていました。その営為を学びつつ「伝統」とはどのようなものかというのも、一人一人が学びながら、今日ある「伝統」を守る大切さを理解して貰えればと思います。

  • 授業概要 <伝統文化を再考する>
    この講義は、今日まで培われてきた伝統的な事象について再考することを目的としています。
    「伝統」とはいつから「伝統的なもの」となりうるのか。「伝統」という言葉そのものの成立も視野に含め、再考したいと思います。また今日、伝統的な文化として認識されているものがどのような時代的変遷を経て、その地位を築いたのかを学びます。
    古代・中世における日本文化の萌芽を学びつつ、明治維新を受けて伝統的な文化がいかにして現代まで生き延びたのかを考えてみたいと思います。特に明治期の芸能(歌舞伎・雅楽・祭礼芸能)や喫茶を中心に学びます。
    授業目標 芸術教養講義6は、以降にある芸術教養講義7~10の概論ともいうべき、古典的な文化・芸術について再考することを学びます。時代の範疇は古代から近代までですが、特に江戸の幕末維新から明治にかけて中心に見ていきます。
    江戸期までに培われてきた文化・芸術が、明治維新という近代化を経て、どのように変化したのか。「変わった」のか、「変わらなかった」のか。それとも、「途絶えてしまった」のか、「生み出された」のか。様々な事例があります。
    今日、我々が「伝統文化・芸術」と呼ぶものの中から、幾つかの例をピックアップしながら、その変遷を見つめ、「伝統」とは何かを考えることを目標とします。
    授業の流れ ・1章 日本文化の形成
    ・2章 日本文化の基層の成立
    ・3章 明治維新の廃仏毀釈と西洋化
    ・4章 日本文化の再評価と博物館の設立
    ・5章 今日の日本における「伝統」の成立
    ・6章 明治維新後の歌舞伎 ― 演劇改良運動の高まり
    ・7章 型の記録 ― 歌舞伎の伝統芸能化
    ・8章 歌舞伎座の開場 ― 近代都市における劇場
    ・9章 雅楽
    ・10章 近現代の神社祭礼の芸能 ― 神への奉納物から人間の娯楽物へ
    ・11章 近代の茶道家元 ― 流派組織の確立
    ・12章 近代数寄者の茶の湯 ― 政財界における茶の湯流行
    ・13章 茶道の大衆化 ― 学校教育と近代の茶会
    ・14章 茶道書籍の刊行 ― 文化論と歴史研究の充実
    ・15章 近代の茶道具 ― 道具から美術品に
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