キャラクターデザイン学科

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2020年3月6日  学生紹介

ゲームゼミ十期生と「ゲームゼミについて語るの巻」 Part1

ゼミ通

ゼミ通ヒーローズ Vol .20

 

昨年度の卒業制作から始まったゼミ通ヒーローズも今回で二十回目。

同時に一周年でもある今回は2019年度の卒業制作展を終えて、

ゲームゼミ十期生の皆さんと四年間を振り返り、

「結局遊びの研究とは何だったのか」を追求。

そんな彼らとの最後のゼミの様子をお届けします。

 

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卒業制作展授賞式の打ち上げに参加するゲームゼミの学生たち。

右から

杉山大地(以下杉山)(済美高等学校出身) 

矢部紘花(以下矢部)(京都府立亀岡高等学校出身)

山中楓(以下山中)(大谷高等学校出身) 

門瀬菫(以下門瀬)(奈良県立奈良北高等学校出身) 

五十嵐智哉(以下五十嵐)

村上(筆者)

中西由弥(以下中西)(相愛高等学校出身) 

K.ナッチャー(以下ナッチャー)

王吟賀(以下王)

尹昭媛(以下尹)

朴東鎮(以下朴)

 

村上 まずはみなさん卒業制作大変お疲れ様でした!

 

一同 お疲れ様でした!

 

村上 せっかく凄く面白いものがたくさんできたのに、

このまま「はいおしまい」というわけにもいかないので、

今日は過去を振り返りながら

実際に自分達は何を成し遂げたのかを話していきたいと思います。

制作の苦労話とかも。

 

中西 苦労話しかないですけど(笑)。

 

村上 じゃあ、まずは作品の紹介からいこうかな。

最初は、五十嵐から。

 

五十嵐 はい、今回私が作ったのは『ロプテトラント』という

3DアクションRPGです。

もう、エゴというエゴ、仕様という仕様を全て詰め込んで、

やってみたかった事を一通り盛り込んでみました。

 

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五十嵐智哉さんの作品「ロプテトラント」。

優秀賞、同窓会特別賞を受賞しました。

 

中西 私とミミちゃん(K.ナッチャー)とで作ったのは『ぺなまじ』といって、

カードを使ってコミュニケーションをぐちゃぐちゃにしようという

アナログゲームです。

私は企画やテストプレイ、印刷会社との仲介役を担当してました。

 

ナッチャー 中西さんとの合作で、

中西さんがゲームの中身を作り込んでくれたので、

私はデザインの作業をやっていました。

 

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中西由弥さん、ナッチャーさんの合作である「ぺなまじ」。

奨励賞を受賞しました。

 

 私は『桃夭』という、ゲームの媒介を通した文化の伝達を研究して、

唐の史実に基づいた乙女向け恋愛アドベンチャーゲームを制作しました。

 

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王吟賀さんの作品「桃夭」。

奨励賞、キャラクターデザイン学科特別賞を受賞しました。

 

杉山 GIGまもののむれ』は音楽遊びです。

私の14~15年に及ぶ追及の結果でありました。

そういうゲーム、いや、遊びを作りました。

 

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杉山大地さんの作品「GIGまもののむれ」。

 

山中 私たちが作った『contents!』というゲームは、

今までにない遊びを作ろうというところから始まって、

ゲームのデータだけではなくて色んなものを含めて

新しい遊びとして制作しました。

私はプログラムを担当したんですけど、

一部分は五十嵐君にも手伝ってもらいました。

 

門瀬 そして私がデザインをやらせていただきました。

企画は初期段階から山中と二人でやらせていただきました。

 

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山中楓さん、門瀬菫さんの合作「contents!」。

優秀賞、Happy Elements賞、三回生賞、村上先生賞を受賞しました。

 

矢部 私は『白昼夢』という2D探索アドベンチャーゲームを作りました。

基本自分で全部作ったんですが、プログラミングを五十嵐君に手伝ってもらい、

タイトルロゴは尹ちゃんに手伝ってもらい、

アニメーションは門瀬さんと山中さんに手伝ってもらいました。

 

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矢部紘花さんの作品「白昼夢」。

奨励賞を受賞しました。

 

 ウチは朴さんと二人で2Dアクションゲーム「Project Luminous Sword」を作りました。

剣を収集するごとに使えるスキルがどんどん増えていくゲームです。

役割としては、今日この場にはいないんですけど

朴さんが企画とプログラミングをやって、

ウチはデザイン全般を担当しました。

 

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朴ドンジンさんと尹ソウォンさんの合作「Project Luminous Sword」。

 

村上 皆、ほぼ一年をかけてゲームを作ったわけだけど、

ちょうど一年前の今頃、皆で立命館大学ゲームゼミの卒業制作展を

京都イオンまで見に行って、その後フードコートでクレープを食べながら

キックオフミーティングをしたんだったよね。

その段階ではほとんどの人が企画が固まってて、

割とスタートは好調だったと記憶してるんだけど。

 

中西 私の企画はそこから二転三転したので、

完全に決まったのは五月くらいでしたね。

それまではアナログ盤の

ドラクエみたいなゲームを作ろうと思ってたんですけど、

ルールがややこし過ぎて…。

ドット絵のキャラクターにしたのはその時の名残ですけど、

罰ゲームを全面に押し出した方が面白くなるんじゃないかという話にもなって、

それで企画が変わっていきましたね。

罰ゲームとして太木先生にニャンニャン言わせたいって思って、

そう思いついたあたりから一気に企画が固まりました。

卒業制作というからには何かデカいものを作らなきゃいけない気がして、

盛大に盛り上がるゲームを作ろうと考えてました。

 

ナッチャー 私は二年生まではイラストゼミだったんですけど、

自分でも企画をやってみたくて三年生からゲームゼミに入りました。

でも結局企画は没になったので中西とペアを組んでます。

 

杉山 私も、二年はプロデュースゼミにいて、

三年からゲームゼミに入りました。

 

村上 それ以外の面々は、ほとんどが一年生の時の担当学生が

そのままスライドしたから、皆の癖というかキャラが分かってたし、

こちらとしてはとてもやりやすかったな。

 

門瀬 当時はゲームゼミの倍率が低かったというか、

希望者が少なかったですもんね。

 

村上 倍率なんて概念がなかったし、

希望者は全員受け入れる時代だったから。

 

中西 イラストゼミに入れなくてゲームゼミに落ちてきた第二希望の面々もいましたよね。

 

 ウチ、イラストゼミが第一希望だった。

 

 私もイラストゼミが第一希望でした。

 

矢部 あ、私も…。

 

杉山 私は二年生の時ゲームゼミ第一希望だったんですけど、落ちました。

これ、どう思いますか?(苦笑)

 

一同 (爆笑)

 

村上 君は当時キャラが尖り過ぎてて、

グループワークに向いてないと感じたから落としたんだった。

で、別ゼミでLive2Dを習得したり単独での制作を経て「やれる」って

確信したから三年でゲームゼミに来てもらった。

プランナーを希望する人は何らかの技術がないと

学科展に向けて制作をするのは正直キツいからね。

特にデジタルゲームを希望する人の場合は。

 

杉山 ゼミの希望を提出するとき、確かに自分自身決め兼ねてたんですよね。

プロデュースゼミにするかゲームゼミにするか。

私自身も自分の尖り具合を自覚してましたし(笑)、

丹羽先生の授業を受けていて、モノを創る前に

もっとしっかりプロデュースの勉強をする必要があるなと思ったので、

一応ゲームゼミは第一希望だったんですけど

その理由が適当で、志望理由書もちょっと利己的な書き方をしていたというか。

でも最初にプロデュースを学んで、凄く良かったです。

 

村上 で、そのキックオフの日に各自持ち寄った企画を元にチーム編成を行なったね。

 

門瀬 私は三年生の途中段階から既に山中と矢部と三人でチームを組んで

アナログゲームを作ろうと思ってたんですよ。

でも役割分担が曖昧だったから、これは絶対にチームを解体されるなと思って、

企画を各自で出してそれぞれ協力し合いながら卒制をやろうって話になりました。

 

山中 アナログゲームを作るのに三人で組むのはさすがに許されないだろうと思って。

 

中西 私はミミちゃんと二人でアナログゲームを作りましたけど、

それでも最初は厳しかったですしね。

 

村上 まあ、余程の大作を創るとか

何らかの前例を作ってしまえば良いんだろうけど、

これはゲームゼミだけで完結する話じゃないし、

成績を付ける際の判断基準がゼミ担当以外の先生からすると難しくて、

突破口を開くのはなかなか大変かも知れないね。

 

門瀬 企画を提出する段階では、私と山中は水平思考の企画をやりたくて、

その考えが一致したのでチームを組みました。

デジタルゲームなんですけどアナログの媒体を使って

パズルがどんどん繋がっていくような、

当時はそんなイメージのものを考えてました。

 

村上 王吟賀は、最初から何もブレがなかったね。

 

 そうですね。

ゲームのジャンルもストーリー設定もほぼ固まってましたね。

 

村上 三年の時に既に実績があったから、

これは放っておいても大丈夫だろうと思って、すぐにGOを出した。

「どうせ凄いもの作るんでしょ」って。

 

矢部 私はちゃんと固まったのは五月くらいでした。

夢日記みたいなネタはあって、

ゲームっぽくない絵のゲームを作りたいっていうイメージだけがあって。

ソシャゲ風の艶々した感じの絵じゃなくて、

今回のゲームの絵は全部ボールペンで描いてるんですよ。

なんかあまり見た事がない雰囲気のものを作りたかったんです。

 

村上 シンプルではあるんだけど、

設定やキャラクタ―デザインやストーリー諸々独創的で

面白いものが出来上がって良かったよね。

で、五十嵐の作品は三年の時の成果物のクォリティが高かったから、

そのままの延長でいけるだろうと思って安心してたよ。

 

五十嵐 ところが実は延長というわけではなかったんですよ。

見た目が似てるから仕様の拡張をしただけだと思われがちなんですけど、

実はプログラムもデザインも一新してるので前作の流用部分はないんですよ。

なかなかそこは気付いてもらいにくい部分なんですけど。

 

村上 PS4クォリティの3DアクションRPGを学生が単独で制作した

っていうのが、今回ゲストで来られた方も含めて業界の人が驚いてたね。

 

五十嵐 逆に、あれを複数人で制作するのは無理だったと思います。

チームを組んで制作したところで、

僕がイメージしてるものや要求するスキルが高いところにあったので、

それを共有できる人がいなかったんですね。

技術を教えるよりも一人で一から勉強して作った方が

早いんじゃないかと思って。

だからこそ完成したんだと思いますね。

 

村上 単独の方が仕様の追加や変更があっても小回りが利くしね。

 

五十嵐 仕様の数だけコミュニケーションコストが莫大になっていくんですよ。

プログラムの中身も自分が全部把握してますから、

仕様の変更があった場合でもめちゃくちゃ強いですし。

 

山中 何年も一緒に組んでる人とかいるんだったらいいけどね。

 

村上 朴と尹のチームも早い段階から企画が固まってたよね。

一年前のキックオフミーティングの時点では

企画書どころか実際に動作するサンプルゲームが出来上がってたし。

剣を投げて瞬間移動する『FINAL FANTASY XV』みたいな仕様も

既に実装されてたんだよね。

朴はプログラミングの授業は受けてたけど

今回の作品の技術についてはほとんど独学だよね。

でも動きは良いけどビジュアルが全然できてなかったから、

半ば強引に尹とチームを組ませたんだった。

 

杉山 C#は初めてって言ってましたね。

でもそれまでに韓国でゲーム制作のチームを組んで色々作ってたらしいです。

 

五十嵐 彼は勘が良いんだと思いますね。

 

村上 朴の作るゲームは

過去にもいくつかサンプルを見せてもらった事があるけど、

操作感も含めて「間」が凄く良いね。

動きの間のウェイトの設定がうまくて、遊んでて気持ちが良い。

 

杉山 朴さん、凄い勉強家なんですよね。好奇心も強いし。

 

村上 昔『ロックマン』をそのまま真似てゲーム作ってたよね。

「プロはどうやってゲームを作ってるんだろう」

っていうのを自分の手でシミュレーションしてみて、

こういうスピード感と間があったら気持ち良いんだと理解するために。

そういう土台があった上でオリジナルのゲームを作るところが

彼の強みなんだろうね。ちなみに五十嵐もそのパターンだよね。

 

五十嵐 そうですね。

僕もアクションゲームをやり込みまくって、

フレームデータを見ただけで大体分かる状態にはなってきました。

 

村上 『ロプテトラント』でのゲーム特有のモーションの省略は、

よほどゲームをやり込んでないと出来ない芸当だもんね。

普通に作ったらどうしてもリアルになっちゃって、

剣を振る動きもいちいちモタついて、

映像がリアルな分テンポが悪くてゲームとして面白くなくなる。

 

五十嵐 学生作品で何が一番イライラするかって、

やっぱりモーションなんですよ。

等速直線運動はヤメてくれって毎回思います。

だから今回僕はモーションに力を入れましたね。

 

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『ロプテトラント』での複雑な主人公のモーションデータ。

 

村上 その辺りのきめ細やかさでいうと

門瀬・山中の「contents!」でも言えるね。

拘りポイントがウィンドウの開閉モーションっていう。

 

山中 先生、そこばっかり評価しますよね。

 

村上 だって、そういう所が大事でしょ。

単なるフェード処理よりもちゃんと演出が入って

画面が切り替わったらそれがゲームの世界観にもなるわけだし。

ビジュアルの美しさも重要だけど、

画面遷移時の処理が丁寧なゲームって

お客さんの気持ちをちゃんと考えてる証だから、

クォリティも高く見えるよね。

 

山中 まあ、確かにそこは意識しましたね。

 

門瀬 UIが一番時間かかりましたね。

 

山中 私、社会に出たらゲームのプログラミングはやらないので、

今しかやれない事をやろうと思いましたね。

卒業前に専門外の事をやって締めたいなと。

3DCGも未知の領域なんですけど、

一年やそこらで習得できるとは思わなかったので早々に切り捨てました。

 

門瀬 さっき五十嵐君は誰かに頼むのが面倒臭いから

一人でやったって言ってましたけど、

私が山中と組んで心地良かったのはその点でしたね。

「仕様が良くない」ってどっちかが思ったら、

苦労とか努力とかを一旦置いて、良くないものは切り捨てました。

没案は物凄く多いんです。

アートブックにも没案を載せてるんですけど、

そこにも入り切らないくらい本当に多くて。

一週間かけて描いたロード画面とかも没にしたり。

山中が作った仕様が丸ごと没になったり。

今の仕様に落ち着くまでは二か月くらい

延々作って捨ててを繰り返してましたね。

本来は頑張った分だけ捨てたくないって思うんですけど、

作品の良し悪しに関わるならそこは思い切って捨てますね。

そういう共通の価値観があって、

良いものを作るために厳しい決断が下せた点では、

山中とチームを組めて良かったなって思います。

 

村上 ゲームゼミでは「プロ技術よりもプロ意識」って言い続けてるけど、

そこがちゃんと伝わって安心した。

何が大事かを考えて、要らないなら平気で没にするっていう所が。

自分が苦労したかどうかじゃなくて、

お客様にとって面白さを提供できるかどうか

っていう考え方が浸透してるから、

あれだけたくさんデータを作って大量に捨てて、

良いものだけを濃縮する事ができたんだと思う。

 

山中 心は痛んでました(笑)。

 

村上 この作品はHappy Elementsさんからも賞をいただけたよね。

「箱を飛び出した新しいあそびの提案によってゲームの可能性を広げた」

と評価されて。

村上賞もこの作品に贈ったけど、やっぱり理由はHappy Elementsさんと同じ。

 

このチームに限らず今年のゼミ生全体の特徴として、

チームワークとプロ意識って本当に大きいと思う。

とにかくお客様に驚いていただくっていう気持ちがね。

で、ここから本題ね。

 

中西 …まだ本題に入ってなかったんすか?

 

Part2に続く

 

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2020年3月3日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズvol.19「田邉正太と発想法について語るの巻」part2

ゼミ通

 

ゼミ通ヒーローズ Vol.19

 田邉正太と「発想法」について語るの巻 Part2

 

 

村上

今も新作のゲームを作ってるけど、それはどんな構成なの?

 

田邉

今回はプランナーが二人いて、僕がプログラマーとして関わってますね。このプランナー二人で結構会話が弾んで企画がどんどん決まっていくんですけど、盛り上がり過ぎてストップがかからないんですよ。なので僕はストッパーとして存在してるって感じです。

 

村上

広げたアイデアに対して、「つまりどうしたいの?」って現実に引き戻す役になってるってことね。ストッパーというか、プログラマーだからそれを具体的なシステムに落とし込んでいかなきゃいけないし。

 

田邉

そうですね。実際にコントローラーを操作したときに「こっちの方が面白くなるよ」とか「これは不必要だ」とか、そういう具体的なことを言ってますね。

 

村上

プランナー二人のうち一人は文系人間で、シナリオや設定に拘るけど、もう一人はデザイナー視点で考えるから、UIデザインも含めて、ビジュアル中心にゲームの進行を考える傾向があるのかな。

 

田邉

ですね。実際に仕様を組み込む立場からすると、何でもかんでもゲージやUIに頼って目で見た情報をもとにゲームを進めるんじゃなくて、操作を通して気持ち良さを感じてもらえる方が面白いんじゃないかって思ってしまうので、面白いかどうかを客観的に判断して意見するようにしてます。システムとはいえゲームですからね。

 

村上

普段ゲームを作ってるときに気にしてることとか工夫してることって何?

 

田邉

普段アクションゲームをあえて作らないようにしてきたんですね。正直言っちゃうと、キャラを動かすとそれだけでも十分に面白んですよ。だからそこで面白さを勝負するんじゃなくて、例えばRPGのダメージ計算とか思考とか、そういう内部処理の仕掛けで面白さを追求していきたいですね。

企画というと、とりあえず最初は「横スクロールアクション」からアイデア会議が始まることが多いんですよ。

 

村上

多分、UNITYの授業でそこからスタートするから、慣れてることをしたくなるんじゃないかな。

 

田邉

何かもっと別の楽しみを生み出していきたいですね。例えば戦略を立ててプレイヤーに考えてもらうとか。ただ反射的にAボタンを押すとかじゃなくて。

 

村上

なるほど。田邉のいう「楽しい戦略」とは。

 

田邉

僕は昔から将棋とかチェスが好きだったんですけど、あれは思考で相手を上回ったっていう感じが好きだったんですね。

将棋の場合は情報が全てその場に見えてる状態で戦うので、相手の行動もある程度読めてくるんですけど、その予想が当たる時と外れる時の差を楽しみたいっていうか。

相手が自分の思い通りの動きをしてくれるのが面白いんですけど、たまに予想外の展開になったときに次の動きを考えるのが楽しいですよね。

 

村上

ゲームの中には予定調和の気持ち良さっていうのもあるんだけど、「多分こうなるぞ。ほら当たった!」という予定調和と「まさか!」という意外性のバランスが大事なのね。「まさか」が続くと遊んでる立場からするとしんどくなる。だから予定調和で進めておきつつ、途中で「あれっ!?」と思わせるような仕掛けを加えると急に面白くなる。「まさか」にも二種類あって、「え?」と「あれ?」に分かれるよね。「え?」は初めて遭遇する出来事なのに対して、「あれ?」は予想が外れたとき。ゲームの序盤に長いチュートリアルを見せられると「え?」が続くから個人的にゲームのモチベーションが全然上がらなくなる。その驚きの配分を感情曲線っていうけど、そこをどうデザインするかが重要だね。これは自論なんだけども、この考えに関して田邉なりの哲学があったら聞かせてほしいな。

 

田邉

えー、難しいっすね!

 

村上

だってわざと難しい質問してるもん。ちゃんと答えろよ(笑)。

 

田邉

はいー…わかりました。じゃ夏に作った「アリクイ―ター」を例に話しますね。

 

 

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↑学科展用に制作したアナログゲーム「アリクイ―ター」。

 

 

田邉

まずこれは、将棋みたいに敵味方交互にコマを動かす対戦型のアナログゲームです。

将棋と違うところは、一度歩いた場所はもう踏めなくなるっていう所です。足場が崩れていくっていうか。要はアリクイの主人公がアリを食いながら進んでいくっていうイメージなんです。そうなると何が起こるかっていうと、自分だけじゃなくて相手の行動範囲も狭めていくっていう陣取りゲームみたいな楽しみ方も生まれてきます。で、踏んだブロックは回収できるんですけど、これを自分のポイントに出来て、このポイントを消費してゲームを有利に運ぶためのスキルを発動させるという展開になります。スキルにも色んな種類があって、それを使いこなして敵を追い込んでいくっていうゲームです。

 

村上

そこでの戦略性として、何を面白くしようと思った?

 

田邉

これって、ルール作りのアイデアがどれだけ良くても、ゲームバランスが悪いとそれだけで全然面白くないんですよ。それを単純に面白くしようと思ってレベルデザインをしたんです。

 

村上

ここでいう「面白いレベルデザイン」とは?

 

田邉

最初にダイスを使って行動するんですけど、そこはサイコロの出目っていう運が関わってくるわけですよね。そこでこのゲーム用に6面ダイスを作りました。24面で、残り2面が13になってるんです。要するに、基本的には2が出るようになってるんです。そこはゲームバランスを考えて意図的にそういう構造にしていて、基本は2と予想させて動くんですけど、そこに予想外の展開が起こることで面白い波を演出してみようとしてレベルデザインを検証しました。

で、今度は序盤に動くか終盤に動くかが重要な駆け引きになってくるんです。最初にポイントを貯めて最後に一気に畳みかけるか、序盤にポイントを使って相手の行動を妨害しておくかっていう。最初に妨害しておくと相手もそれを回避しようとしてポイントを小出しにしていくので、後から大きな妨害を仕掛けられる確率が減ります。そういう大きく二つの戦略があって、それを考えるのが楽しいゲームになってます。

 

村上

ポイントをため込んで最後に畳みかけようとしても、下手をすると道を塞がれて、たまったポイントを使う間もなく動きを封じ込まれて負けることもあるよね。

 

田邉

そうなんです。だからプレイヤーにとってちょうどいいバランスを考えてポイントを使っていかなきゃダメなんです。

ポイントを貯めれば貯めるほど強いスキルを使うことが出来るんですけど、一番強いスキルに「相手と立ち位置を入れ替える」っていうのがあって、これがかなり効いてくるんです。徐々に追い込んでいくより、予め自分の周りに罠を張っておいて、最後に立ち位置を入れ替えて相手をどうしようもない状況に追い込むっていうのが最高に気持ちが良いんです。

 

村上

それは元々の仕様にあったの?

 

田邉

一応あったんですけど、このゲームは調整に調整を重ねて、結果として企画当初の原型をとどめていないものになりました。面白いんで結果的にはそれで全然良いんですけど。

今回は明確にゲームのルールを決める前に、木製のブロックだけを最初に買っておいて、ゼミの皆にテストプレイをしてもらったんです。そしたらそのブロックを触っているだけで色んなゲームが生まれました。皆の意見をもらって更に調整を加えて、その場が湧く状況を作れるまで作り込みましたね。

 

村上

そうやってゲームの研究を重ねてきたわけだけど、要は人の誘導の仕方を追求してきたってことなんだろうね。

 

田邉

そういうことですね。

 

村上

さっき話していた「ちょうどいい面白さ」って何?

 

田邉

自分の思い通りに行き過ぎないってところですかね。どれくらいの引っ掛かりがあったら前に進む面白さにつながるかってことです。これも「アリクイ―ター」の話になりますけど、動いた後で〇×ゲームみたいに、最終的には3マス並べて自分の色を置くと勝ちになるんです、縦横でも斜めでもどっちでもOKです。

その時、2つまでは割と簡単に置くことができるんですけど、3つ目を置こうとすると大抵敵が介入してきてうまくいかない、という状況になるようにバランスをとっています。

ここはかなり研究をして、ギリギリの面白さみたいなものを作り込みましたね。

 

村上

また話は戻るけど、こういうこともさっき言ってたみたいに公園で考え事をして出てきた発想なの?

 

田邉

そうなんですけど、それ以前にこれまでたくさんのゲームで遊んで来たんで、その蓄積から生まれたっていう感じじゃないですかね。どんな生活をしてどんな育ち方をしてきたかっていうのも大きいと思うんですけど、自分の場合、昔友人関係で色々問題があって、その時点で全てのことは自分の思い通りにはいかないっていうことを学びました。でも、そのときにケンカをするとかぶつかり合うことが凄く楽しいと感じてきたんですよ。で、言い過ぎてもダメだし引きすぎてもダメだし、そういう距離感のバランス感覚を自然に学んでいくもんだと思うんですよね。要するに何が言いたいかというと、バランスをとることって、人生もゲームも同じなんじゃないかって思うんです。絶妙なバランスを人生の中で習得してきたからこそ、ゲームのレベルデザインができるようになってきたんじゃないですかね。

 

村上

習得したからというか、習得したことに気付いたってことなんだろうね。

何らかの問題が起きてそれを乗り越えるなんてことは誰もがやってきてるわけで。そこで得た面白いっていう感覚を誰かに伝えたいと思う人がゲームクリエーターに向いてるんじゃないかな。まあ、ゲームクリエーターに限らずアーティストと呼ばれる人全般に言えるけど。

ストレートに物事を伝えるんじゃなくて、何らかのシステムとか世界観に置き換えて表現すると、それは恋愛ものかもしれないしホラーかもしれないし、そこは人に寄るんだろうけど、結果として表現物になるんだと思う。

 

田邉

ただゲームバランスは考え事だけでできるものじゃないですね。実際に手を動かしてテストを重ねないと絶対に分からないと思います。こんなバランスでこんな気持ちになってくれたら面白いだろうな~という程度のことは空想でもできますけど、微調整までは考えられないし。

 

 

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田邉

ところで先生は僕に発想力があると思います?

 

村上

ないとは言わない。発想だけでは実力の程が見えてこないけど、最近になってようやく実行力が伴ってきて、それでやっと納得できたって感じかな。

今までは誰かが取っ掛かりを作って、それに対して上乗せする形でアイデアを出すのは得意なのかな、とは思ってたけど、ゼロベースで何かを考えるとなったら正直まだ弱いかな。

 

田邉

ほんまに仰る通りでございます(笑)。

 

村上

田邉はそこができるようになったらかなり強くなると思うね。

だって「アリクイ―ター」も杉本(同じチームのプランナー)がネタを投げて、それを田邉がブラッシュアップしてたわけだしね。

 

田邉

発想法の鍛え方って、結局は経験でしかないですよね。人と話すとか。

以前のゼミ通で北園のゲーム企画の話が出てましたけど、あれは「観察」。でも観察という名の「経験」だから、やっぱり観て聴いて体感することの積み重ねで情報を蓄積して、そこから取捨選択をするセンスが発想力ってことになるんだと思うんですよね。ただ机に向かって考えたって無駄っていうか。

よく「神が降りてくる」って言い方しますけど、僕あれ嫌いなんですよ。あったとしても結局は経験と情報の蓄積だから、普段考えてること以上のアイデアが降ってくることってないと思うんですよね。

 

村上

「センスの磨き方を教えて下さい」みたいな質問をよく受けるんだけど、「よく観なさい」としか言わない。時間と労力を使って色んな所に行って色んな人と話す以外に磨きようがないからね。田邉の場合、公園で考え事をする時間が長いとはいえ、結局その発想を膨らませたり人とのコミュニケーションが化学反応を起こして面白いアイデアに変わっていくことを理解してるから、これからもその調子で頑張っていけばいいと思うよ。

 

田邉

はあ…頑張ります。

 

村上

ではこれから卒業制作もあって大変だけど、これまでの情報収集の蓄積を活かして面白いものを作っていって下さい。

 

田邉

はい、ありがとうございました。

 

 

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2020年2月27日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズvol.19「田邉正太と発想法について語るの巻」part1

ゼミ通

 

ゼミ通ヒーローズ Vol.19

田邉正太と「発想法」について語るの巻 Part1

 

今回のゼミ通ヒーローズは、村上ゼミ3年生の田邉正太君(大阪府立茨木西高等学校出身)をピックアップします。

 

01

村上

毎度恒例の質問からいきますね。何故この大学に入ったの?

 

田邉

まあ、理由はいくつかありまして、元々芸術系の大学に進むことは考えていたんですけど、正直学科までは決まってませんでした。まず自分が一番やってきたことはゲームであるということ。それと、小学生の時からずっと小説を書いてきたんです。でも文章力がそれほどないので、小説に関しては人に読ませたことはないんですよ。とまあ、それは置いといて、なんでこの学校に来たかって言うと、…ムズいですね。

 

村上

どの入試で入った?

 

田邉

AO入試です。入試のとき、なんか先生方に凄い褒められたんですよ。それに、そもそもやってる内容が凄く楽しかったんですね。

キャラクターとかを作りたかったわけじゃないんですけど、自分が考えたストーリーとか世界を表現したかったんです。その中でキャラクタ―デザイン学科だと色んな分野を幅広く学ぶことができて、しかもその中にゲームもあると知って、それが決め手になりましたね。

 

村上

じゃ最初からゲームの領域を希望していた?

 

田邉

そうですね。最初からゲームゼミ狙いでした。

 

村上

プログラミングはやったことはなかったの?

 

田邉

なかったですね。RPGツクールとかでゲームを作ったことはあったんですけど、完成させたことはなかったんです。なので、何か完成させたくて大学に入りました。

1年生のときの「ゲーム制作基礎」の授業内容が面白かったですね。グループワークでの課題を出されて、人前でプレゼンするっていうことも初めてだったし、他の人の考えも聞くこともできて。グループワークって色々問題が起きるじゃないですか。意見がぶつかり合ったりギスギスしたりとか。そういうのも含めて凄く楽しいなって思って。

 

村上

さっき「完成させたことがなかった」って言ってたけど、学科展では二本もゲームを完成させたよね。

ちょっとその作品についての話をしていこうかな。まずは「シークロック」。これはどんなゲームなの?

 

 

02

↑「シークロック」のゲーム画面

 

 

田邉

ああ、シークロックか。

 

村上

急にタメ口かよ。

 

田邉

これはプログラマーとして関わったんですけど、楽しかったですね。

完成させたっていうことがまず凄い達成感がありましたし。動くものを人に見せることができたっていう。ただあれって、プログラミングとしてやってることは、文字を表示するのとアニメ―ションを表示させるくらいの単純なものなんですよね

 

村上

ストーリーの分岐とかもあったよね。

 

田邉

まあ、しょーもないものですけどね(笑)。いや、しょーもないっていうか。しょーもないんですけど。まず、企画が完成するのがめちゃくちゃ遅かったんですよ。アイデアもなかなかまとまらずに、先生からも「一体コレの何がおもろいんだ」と言われ続けて…。

内容としては、エイリアンとおじさんが同じ空間にいて、それを観察して、プレイヤーはアイテムを与えておじさんとエイリアンの関係を見届けるという感じです。こういうのアドベンチャーゲームっていうんですかね。

 

村上

飼育ゲームという言い方の方が伝わりやすいかな。で、ゲームの見どころは?

 

田邉

見どころか。

 

村上

タメ口かよ。

 

田邉

シチュエーションとして面白いものがあるので、おじさんとエイリアンが急に部屋に閉じ込められるという設定でプレイヤーを引き込みたかったんです。あとは大瀬(デザイン担当)のアニメーションを見て、「この動きかわいいね」っていうところですかね。

自分がどのアイテムを与えたかで結末が変わるっていう。6つエンディングが用意されていて、そのうちの2~3個があまり良くない結果になってます。

 

村上

実際に一般の来場者に遊んでもらってどう感じた?

 

田邉

正直不安だったんですよ。プレイ時間の長いゲームですし。でも展示会場ではたくさんの人に遊んでもらって、常に笑顔というか、その表情を見たときに「やって良かったな」って思いましたね。

 

村上

主人公キャラクターのモデルを石鍋先生(キャラクタ―デザイン学科准教授)にした理由って何かあるの?

 

田邉

それは崎(プランナー)の好みですね。あいつオジサンとかオバサンが好きなんで。たまにオバサンを見て「かわいい」とか言ってますよ。

 

 

03

↑包装紙の裏に書かれたシークロックのイメージスケッチ

 

 

村上

で、今回の主題が「発想法」ということで、ゼミメンバーの中でもやっぱり田邉といえばアイデアマンという立ち位置になってるし、そこにも触れていきたいな。

 

田邉

そう呼ばれるのは嬉しいんですけど、自分が発想法に長けてるとは思ってないんですよ。凡人なんでね。…話し方なんですかね。遠慮なくズケズケと言う性格なのでアイデアマンだと勘違いされてるだけなんだと思いますけどね。周囲にグレーゾーンで話す人が多いので、単に白黒ハッキリさせたいだけなんですよ。

 

村上

「アリかもしれない」とか日本人特有のグレーな話し方すると特に留学生が困惑しちゃうんだよね。「アリかナシか、どっちデスカ?」って。

 

田邉

そうです。僕はそのグレーが面倒臭いというか、早くどんどん結論を出していきたいんで、ハッキリ言うんです。それによって嫌な思いをする人も少なからず出てくるんですけど。

 

村上

一年前と今とで比較するとすごくゼミの空気が良くなってきた印象があるね。昨年度「脱出ゲーム」の議論をしてるときは全員がグレーな発言をして全然話がまとまらずに、なんか水面下で探り合ってるような空気があったんだけど、あれを完成させてから自信がついたのか急に全員積極的に発言するようになって、風通しが良くなってきた。去年のゼミはお説教しかしてなかったもんね。でも今はもう「任せて大丈夫」って思ってる。

 

田邉

そう思っていただけると嬉しいです。

 

村上

で、話を戻すと、発言するということの前に発想法の話ね。さっきは謙遜気味だったけど多少なりとも自覚はしてるの?

 

田邉

確かに、ちょっとは人と違うことが言えるかも、とは思いますけどね。ズバ抜けてるわけではないですね。ていうかアイデアを出してるわけではないんですよ。なんでそれをアイデアと言われるかというと、僕が会話の中で変なことを言ったりするからなんですよね。筋が通らないようなことを。それが奇抜だとか珍しいとか思われがちで、そのことを指してるんじゃないですかね。

 

村上

去年面談の時に田邉にお説教をしたことがあるけど、覚えてるかな。「結果を出さない」ってことで。「普段何してるの?」って聞いたら、「公園で一日中考え事をする」って言ってたよね。色んなものを見て人の動きを観察するんだ、って。もちろんそれも大事なことなんだけども、考えるだけじゃなくて実際に手を動かしてアウトプットに繋げていかないと経験値にならんでしょうと。

 

田邉

発想をしに行きたいというより、公園にいると一人で考え事が出来るんですよね。癒されるものを見てると頭が柔軟に働くというか。二日に一回は一時間くらい歩いて帰るんですよ。そうするとモヤモヤしてた考えがハッキリと固まってきたりします。

 

村上

自分も、会議室とか研究室とかにいてもアイデアがまとまらないから、たまに喫茶店で仕事をするんだけど、ある程度の雑音がある方が集中力が高まることがあるね。研究室にいると「雑音」ではなく「声」として聞こえてくるから、気が散って何もできない。

 

田邉

僕も知り合いに見られてたら何も考えられなくなりますね。公園では物語の設定とか考えて、短編のストーリーとして書いています。あと、引き出しを増やすために「夢日記」を書くようにしてます。

夢って、起きてるときに考えてるようなことじゃなくて、突拍子もない記憶がよみがえってくるんですよね。そういうものを書き記すことで徐々に面白いことを発想できるようになるんじゃないかと思って。

 

村上

俺ダメだ。朝起きたら完全に夢の内容忘れるから。

 

田邉

それはダメですね。少しずつでも書いていくと訓練になるらしいですよ。記憶力も高まるっていうし。夢日記以外でいうと、考えることを多くしようと意識してるとか、そんな感じですかね。

 

村上

企画会議はどう?そういう場だとアイデアは出るの?

 

田邉

いざ考えようとすると出ないです。なんでだろう。人と話すと何も出ないんですよ。一人でじっくり考えたい方なんでね。でも紙を用意して会議するときに、自分が主導でアイデアを作って見せたりしたら、一人で考えてるときと同じなのでスラスラ出てくるっていうことがあります。まとめてるところを誰かに見てもらってるっていう状況が、議論を前向きに進めてるように感じてるのかも知れないです。どんどん調子に乗って行けるんで。

一つ面白いと思えるネタが見えてくると、アイデアが連鎖反応を起こしてガンガン繋がっていくんですよね。一つ目の「これだ!」っていうやつを見つけるまでは結構迷ったりするんですけど。雑談をしてる中で「あ、こいつ面白いこと言ったぞ」って思ったら、そこから広げていけますね。細かいアイデアっていうのはなかなか出さないんですけど、大きな取っ掛かりは人との会話から生まれますね。

 

 

Part2に続く

 

 

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2020年2月19日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズvol.18 小林鈴果と「脱出ゲーム」について語るの巻 Part2

ゼミ通

 

ゼミ通ヒーローズ Vol.18

 

村上

じゃあ今度はゲームの中身の話をしていこう。

まずはこの脱出ゲームの制作時のワークフローというか、チーム編成について説明してくれる?

 

小林

はい、大きく「運営班」と「制作班」に分かれました。

私は制作班の方の進行役を務めさせていただいたんですけど、

その制作班の中にも謎や仕掛けを考える「ギミック班」と、

そこで考えられたものを印刷用のビジュアルに落とし込む「デザイン班」、

そして内装や衣装、小道具を準備する「小道具班」っていう三つの役職に分けました。

で、運営班の方は、ゼミリーダーの菊竹さんが主にゲーム全体の流れとか

開催日程や場所の調整をする仕事をやっていて、

そこに広告やTwitterの運営をする「広告班」と、

シナリオをまとめる「ストーリー班」に分かれてましたね。

 

村上

というチーム編成で作業の効率化を図ったわけだけど、

小林自身はどんな目標をもって進行管理をしてた?

 

小林

まずは自分の中には一番面白いものを作ろうっていう目標がありました。

 

村上

面白い、とは?

 

小林

面白いとは!?うーん、いざ言葉にするとなるとめっちゃ難しいですね。

 

村上

撤収後の振り返りの時にこの話をしたら良かったね。

自分たちは一体何を創ったのかって。

 

小林

私、物事を論理的に考えられないので、感覚的なものになるんですけど、

密室でしか味わえない空気感とかあるじゃないですか。

そうなるとやるしかないじゃないですか。

そこで生まれる謎の使命感を演出したかったですね。

 

村上

すごく単純な話をすると、脱出しないと全員ゲームオーバー。

てことは連帯責任であると。だから何が何でも脱出しなければならない。

取っ掛かりはそんなところなんだけど、アカの他人同士なのに徐々に仲が良くなっていくのはなぜだと思う?

ゲームをクリアするために集まっただけの人だから、仲良くなる必要はないはずなんだけど、

あれだけ皆で一緒に笑ったり悲鳴を上げたりして結束力が高まっていくっていうのはなぜなんだろう?

 

小林

そりゃもうやるしかないからじゃないですか?無人島に行ったとしたら、

自分が生き残るために周りの人を利用すると思うんですよ。つまり脱出ゲームとは無人島なんですよ。

うーん、理論的に説明するのが難しくて、こんな感覚的な話しかできないです…。

 

村上

でも実際に制作をしてるときは、ゼミ生たちから集めた感覚的なアイデアの断片を、

小林はホワイトボード上でフローチャートに変換して書き起こしていって、

5W1Hで体系的に情報を整理していったよね。その時は何を考えてた?

 

001

 

小林

ギミック班だけで14人もいたんですよ。

それをまとめるってなったらフローチャートが良いんじゃないかなって思ったんです。

時間と空間で情報を分けたら誰が見てもすぐに流れが理解できるじゃないですか。

言葉だけじゃ永遠に伝わらないと思ったので。

で、とにかくさっき言った「やるしかない」状況を作るための仕掛け作りを心掛けました。

 

村上

その「やるしかない」っていう心理について掘り下げてみようか。

これも授業の中で話したことだけど、例えば「お宝」があったとして、

これを獲得するために冒険に出る、というポジティブな状況があるとするよね。

何かが欲しいからそこへ向かうという能動的な形ね。

でも脱出ゲームってネガティブな状況からスタートするよね。

 

小林

ここから出ないと死ぬぜ、ってなりますね。

 

村上

そう。宝箱って、欲しいけど要らなければ行かなければいい。

でも脱出ゲームって逃げなきゃ死ぬ。これって強制なわけだよね。

後ろから何かが迫ってくるとか、締め切りに追い立てられるとか。

人って本来強制されることを嫌うはずなのに、なんで面白いのかな?

 

小林

ゲームだからじゃないですか(笑)

 

村上

それを言っちゃぁ…(笑)。つまりお宝を目指す場合は、取得できたら01になるわけだよね。

脱出ゲームはネガティブスタートだから-10になるだけ。

諦めたらゲームオーバーだし何も得しない。なのになぜ面白いのかってこと。

 

小林

結果が分かってるからじゃないですか?その結果に対する過程を楽しむのが脱出ゲームなんじゃないですかね。

お宝を求めるのは、それが結果なわけですけど、その過程に色んな事があるわけですよ。

蛇に噛まれたりジャングルで迷ったり。

ポジティブな目標であっても、そんな小さなネガティブサイクルの結果と過程の繰り返しが冒険の醍醐味だと思うんですよ。

だからネガティブなものがそもそも面白いって考えられるし、ゲームはそこを楽しめるかどうかじゃないですか?

 

村上

なるほどね。じゃあ、ちょっとゲームの中身の話をしてみようか。

謎や仕掛けを考える時の印象に残ったエピソードとかある?

 

小林

まず、そもそもどんなギミックを作っていくかとか、

何を使うかっていうのを、どこからどうやって決めていけばいいのかが分からなくて、

とりあえずこういうシチュエーションのときにこういうのがあったら楽しいよね、ていうのを漠然と決めていったんですよ。

そこが決まったら、デザイン班、ギミック班、小道具班とで分かれて、

謎解きの内容とビジュアル面っていうそれぞれの立場からアイデアを出し合っていきましたね。

で、二つの部屋を使うってなったときに、じゃあどうやって二つの部屋を使い分ければ盛り上がるかなって考えていて、

そこがゲームの軸であって同時に最大の見せ場になるように設定しました。

ストーリー班の人にもアイデアを出してもらって、

他の小さなギミックが軸を盛り上げるための伏線になるように考えて散りばめていきましたね。

仕掛け人っていうかゲームの進行役の人が分断されたらプレイヤーは焦るんじゃないか、とか。

下の階に降りた時に急に空気感が変わったらドキドキするよね、とか。

そういうところを決めていって、これに合わせてギミックの雰囲気も変えたら二段階でゲームを楽しめるんじゃないかって考えました。

 

村上

密室型の脱出ゲームで一番盛り上がるのって場面転換の瞬間だと思うのね。

小部屋だけでゲームを進行させるんだと思っていたら、途中でカーテンが開いてそこで新たな展開が発生したり、

壁だと思ってたところに隠し部屋が出現したり。

狭いと思ってたものが広がっていく感覚ってかなりインパクトあるよね。

 

小林

今回でいうと、サーバールームにプレイヤーが一人だけ閉じ込められて、

ガラス張りで防音の密室の中と外でモールス信号を頼りに謎を解かないといけないとか。

 

村上

確かに、空間の使い方はすごく良かったね。全く無駄なく使えるものは全部使うって感じで。

002

 

小林

そうですね。この部屋だけで終わると思わせておきながら、

地下室に降りる真っ暗な螺旋階段が出現したら、それだけでテンション上がりますもんね。

しかも降りたその先には不気味な実験室と、台の上には死体が置いてあったり。

 

村上

作り込みも照明効果もちゃんと演出されていて、あれは素晴らしかったね。

普通ならこれがクライマックスだと思いきや、更にもう一段階。

しかもここからは恐怖演出の畳みかけになるし。

 

小林

そこから元の部屋に戻ってクライマックスを迎えるわけですけど、

その時ゲームの残り時間はだいたい2分くらいになるようにうまく誘導していきます。

本当に一秒たりとも休まる隙を与えない設計になっていて、

常に全部の謎解きがギリギリの状態で進行するから絶対に飽きないと思います。

 

003

村上

企画の立ち上げ当初、学生たちの間でホラーストーリーをやりたいって言った時に、

「怖がらせたいのか謎解きをさせたいのかどっちなの?」て話したことがあったよね。

怖すぎるとストーリーの進行に集中してしまって謎解きの面白さが半減するんじゃないかと思って。

でもそこをうまくバランスをとってプレイヤーのテンションを制御してた点が素晴らしい。

 

小林

最初の部屋で謎解きをしてるときってあまりホラーテイストはないんですよ。

スタンダードな謎解きゲームになってるっていうか、

まずは謎を解きながらそこで起きていた出来事とか世界観を探っていくって感じで。

どちらかというと謎解きそのものに集中してる状態ですね。

で、地下に行った時って、ホラー風ではあるんですけど、

プレイヤーとしてはワクワク感の方が大きかったんだと思うんです。

「わ!新しいところ来た!」って。そこでテンションが上がり切った時に急にホラーテイストになっていくんですよ。

悪霊登場で恐怖感を盛り上げる演出があるわ、

YouTuberは置き去りにされるわで、畳みかけるような恐怖演出の展開があって。

 

村上

でもここで凄かったのは、ストーリーや演出が入る事によってゲームが分断されることなく

ちゃんと両立して進行していくってところ。

ここが今回のゲームの最大の見どころであり評価ポイントかなって思ってる。

 

小林

そう言っていただけると嬉しいもんですね。

 

村上

ものすごく盛沢山の内容になってたね。

最初にテストプレイしたときに、プレイヤーの人たちから「謎の数が多すぎる」っていうフィードバックがあって、

その時にみんなは「じゃあ問題数を減らそう」って話が出てたしね。で、そのときに俺が言ったの覚えてるかな。

「絶対に数を減らすな」って。学生が作るものにあまりああしろこうしろって言いたくないんだけど、

ゲームを作る時にこれって大事なポイントになるから、あえて言わせてもらった。

あの密度感が今回のゲームの面白さの根幹になるから、

そこは死守して、今度は難易度を下げたりヒントを出すタイミングを再設計してとにかくゲームのテンポ感を守りなさいと。

そこの考えなしに単純に謎の数を減らすと、密度が薄まってなんとなくダラダラ進む展開になってしまう。

これについては皆かなり頭抱えてたね。「無茶な事言いやがって」て思っただろうけど。

YouTuber役もヒントを出すタイミングとか必死で考えながら、

矢継ぎ早に起こる色んな出来事を制御しつつ進行しなきゃいけないもんだから相当大変だと思うけどね。

本人は問題が減ったら少し負担が減って集中しやすくなると考えてただろうけど、

でもそこは絶対に譲っちゃいけないところだから、絶対に変えさせなかった。

 

小林

でもそのお陰であれだけ密度の高い恐怖体験につながったわけだし、結果的には良かったと思います。

 

村上

小林も今後ゲームを作っていくときに、揺らいではダメっていう部分をまずしっかり作り込むところを持っておかないとね。

とりあえず動くゲームっぽいものを作るのは簡単だけど、

面白いものを作ろうとすると本当に心を鬼にしないとダメな時もあるから。

それで工数が圧迫してスケジュールが押すようなら装飾の部分を捨てればいい。そこは遊びの本質ではないし。

 

小林

でもテストプレイしないと分からないことがたくさんあったんで、

しんどかったですけど回数重ねて良かったなって思いました。

一週間の間に10回以上はテストをやってましたね。

 

村上

人の動きや感情を計算してレベルデザインをすることの重要性が理解できたし、

ゲーム作りの基本を身に付けられた意味ではすごく良かったと思うよ。

というわけで、まずは半期に及ぶ脱出ゲーム制作大変お疲れ様でした。

 

小林

はい、ありがとうございました。

004

脱出ゲームを制作したゲームゼミ2年生

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2020年2月15日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズvol.18 小林鈴果と「脱出ゲーム」について語るの巻 Part1

ゼミ通

ゼミ通ヒーローズ Vol.18

 

今回のゼミ通ヒーローズは、村上ゼミ2年生の小林鈴果さん(京都芸術高等学校出身)をピックアップします。

 

001

脱出ゲームの謎解きの仕掛けを調整する小林さん

 

村上

恒例の質問からなんだけど、小林はそもそもなんでこの大学に来たの?

 

小林

実は私、キャラデのオープンキャンパスに来たことないんですよ。

元々周りの友達に連れられてアートプロデュース学科を見に行っただけで、

他はどこにも寄らずにそのまま帰りました。

なんかアートプロデュースの先生の話がめちゃ面白かったんですよ。

 

村上

学科長の伊達先生ね。あの人面白いよね。

 

小林

そう、その方です。

作品を観て、それがどういう風に見えているのかとか、

私もそういう話が好きだし、とにかく先生の話が面白くて引き込まれちゃって、

そこで初めて大学って楽しいなぁーって思ったのが切っ掛けです。

 

村上

キャラデの話が出てこないけど…。

 

小林

アートプロデュース学科が面白すぎて目に入らなかったです(笑)。

 

村上

すぐ隣であれだけ派手に装飾をして大勢で賑わってたのに、

目に入らないってことはそもそも興味がなかったってことなのかな。

 

小林

はい(笑)。最初は全く興味なかったです。

高校生の時はあまり進路を真剣に考えてなくて、

周りの子がみんな京都造形受けるって言って、

キャラデを受ける子も何人かいたから、じゃあ私もーみたいな感じでした。

 

村上

アートプロデュース学科は受けなかったの?

 

小林

漠然としてましたけど、実際にやるなら制作の方をしたかったんで。

高校では絵とかデザインを学んでたし、その流れでキャラデにしました。

本当に深く考えてなかったですね。

 

村上

一年の時の「ゲーム制作基礎」の授業に小林がエントリーしてて、

ちょっと意外な感じがしたのを覚えてる。

ゲームに興味がなさそうに見えたから。

ゲームが作りたいんじゃなくて美少女キャラを描きたい人なのかなと思ってた。

 

小林

一年の時も特にやりたいことが見つからなくて、なんかフワフワしてましたね。

 

村上

それでもグループワークになるとチームをまとめたりして、しっかりやってたから、

ゲームゼミに来てくれたら嬉しいなぁとは思ってたんだけどね。

で、その時は授業の課題でアナログゲームを作ってたけど、

実際にやってみてどうだった?

 

小林

楽しくなかったです(笑)。

私本当にグループワークが苦手なんですよ。

人と話すのがダメだし、もうどうしたらいいか分からなくて…。

 

村上

たまに「あ、無理してるな」って思う時はあるけどね。

そこまで苦手とは思わなかったな。

ゲームゼミはチームワークが大事と詠っていたにもかかわらず、

そこへ来たのはどうして?

 

小林

なんか面接みたいですね。

その時はアニメとかCGにも興味がなくて、

最初はプロデュースゼミを考えてたんですよ。

アートプロデュースが本当に面白かったんで。

でも色々考えてやっぱり「何か作りたいやん!(笑)」てなってゲームにしました。

 

村上

何か作りたいやん!ていうか消去法やん(笑)。

で、デジタルゲームを作りたかったの?

 

小林

いや、私はアナログゲームの方が好きですね。

 

村上

なるほど。ではその流れで、今回はその究極のアナログゲームともいえる

「脱出ゲーム」を作ったので、その話をしていこうかなと。

ちなみに、授業で脱出ゲームを作ってるって言ったらゲーム開発会社の人とか

他の教育機関の関係者がみんな「すごくいいですね」って言ってくる。

教育として得られるものが大きいからぜひ自分たちもやりたいんだけど、

作り方が分からないし、そもそもチームを束ねることができないって(笑)。

 

小林

いやホント難しいですよね。

でも皆が頑張ったお陰で、すごく面白いものが出来たと自負してます。

だって、めっちゃ良くないですか?完成度が高すぎて私は感動してますよ。

今日はそこを詳しく話せば良いんですよね。

話しながら感極まって泣いちゃうかもしれませんよ(笑)。

 

村上

じゃあ今年の脱出ゲームの内容を紹介してくれる?

 

小林

はい、YouTuberと一緒に曰く付きのアパートに潜入するっていう設定なんですけど、

その部屋には秘密の実験場がありました。

そして謎の少女の霊がアパートにとりついていて…

というストーリー設定になってます。

 

村上

YouTuberとカメラマンの仕掛け人コンビと一緒に

プレイヤーが部屋に閉じ込められるのね。

 

小林

ゲームの特色としては、

最後に脱出するときの分岐が大きかったかなって思ってます。

今回は最初に謎解きをする部屋と、

その地下室という二つのシチュエーションが登場します。

終盤で地下室から元の部屋に戻るんですけど、

YouTuberだけ地下に取り残されてしまいます。

それに気づいた時にはもう制限時間ギリギリの状態。

で、YouTuberを助けるために地下室の扉を開けるか、

それとも見捨ててカメラマンと共に出口の扉を開けて脱出するかっていう分岐があります。

 

村上

このゲームの「体感するからこそ味わえる面白さ」って何だろう?

 

小林

その場の緊迫感ですよね。

映画とかデジタルゲームと違って、知らない人同士で対話をするとか、

仕掛けに触れて実際に動かすとか、自分自身が肌で感じられる臨場感とか

緊迫感があるじゃないですか。なんせ60分経ったら殺されますからね(笑)。

その作り込まれた空間にいるだけで

「やべー、殺されるー!」っていう気持ちも高まると思いますし。

 

村上

よく授業の中で映画とゲームを比較して話す事があったね。

映画の中で登場人物が殴られたら「痛そう」ってなるけど、

ゲームの場合は自キャラが殴られたら「痛い!」って言うよね。

その没入感の違いが映画とゲームの差だと。

それでも結局はデジタルゲームの場合は殴られてるキャラは

モニターの向こう側に存在するわけで。

これに対して脱出ゲームの場合は本当に自分自身が体感するから、

お化け屋敷の感覚に近いのかもしれないね。

特に今回はホラーストーリーだったし。

一階の防音の部屋でゲームをやってるのに

3階まで悲鳴が聞こえてきたっていうのは凄いことだよね。

あのお客さんのボルテージの上がり方を見てると、

本当に苦労して作って良かったなって思う。

 

小林

ほんっとそうですよ。

今回はこのゲームを作るアイデア会議のときに、

ホラーゲームの形になる前段階で色々案が出てたんですよ。

一番人気があったのは流行のタイムリープもの。

あとは火葬場を舞台にして棺桶の中に閉じ込められた状態で

焼かれる前に脱出するとか。

あと監獄に閉じ込められた囚人が別々の監獄にいながら

情報共有とか協力し合いながら脱獄するものとか。

そんな中で私が出した「訳アリ物件から訳あって脱出」っていう言葉が

人気があって、結局それに決まったんですよね。

 

村上

内容が決まる前に「訳アリ物件」っていう響きが魅力的だからこれで決まり!

てなって、そこから具体的な話が始まったね。

脱出ゲームで有名なスクラップさんのコメントにもあったんだけど、

「面白いゲーム」を作るんじゃなくて「面白そうなゲーム」を作ることを目指すっていう話が印象的だった。

脱出ゲームって予告編が作れない、ていうか作りようがないから、

とにかく体験してもらわなきゃ伝わらない。

となるとタイトルのキャッチーさとポスターの魅力でPRするしかなくて。

 

小林

ゲームの性質上、内容は一切極秘にしないといけないから、

広告媒体のインパクト勝負しかないですもんね。

 

村上

そう考えると、外側を先に作って、

そこから中を作り込むという方法で良かったんだと思う。

で、後期の授業全部を使ってゲームを作ったわけだけど、

それでもやっぱりスケジュール的には一杯一杯だったね。

 

002

脱出ゲームのポスター

 

小林

始まる時は後期全部使って制作すると聞いて、正直「長い」と思ったんですよ。

でも全然話はまとまらないし、いつになっても全貌が見えてこなくて…。

ゼミ生が17人もいるので、どうしてもまとまらないんですよね。

よく話す人と完全に聞く側に回る人に分かれてしまって。

 

村上

その様子を見ててだんだんこっちもイライラしてきて(笑)、

進め方をあれこれ梃入れしたけど、案の定スケジュールはギリギリで。

でも発言しにくい空気を作ったのはゼミ担当教員の責任だし、

プレッシャーを与えすぎたかなって少し反省してる。

 

小林

まぁまぁまぁ。次に活かせば良いんですよ。

 

村上

否定しないんか(笑)。

でもまあ、そんなこんなでゲームは完成はしたので、

ちょっと中身の話をしていこうか。

 

Part2に続く

 

 

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