ランドスケープデザインコース 渡邉美好
美濃小倉山ベース構想
~自然の美しさと歴史の深さが交錯する空間~
わが故郷美濃市には多くの素晴らしい要素として文化的遺産や美しい風景が存在する。「うだつの上がる町並み」や「美濃和紙」、世界かんがい施設遺産の「曽代用水」、近くを流れる「長良川」は日本三大清流として有名である。こんな素晴らしい美濃市を今一度、活気のある町にしたくこの地を対象とした。
市街地の近くに小倉山(おぐらやま)という小さな山がある。地図からも分かるように小倉山は長良川と市街地に挟まれた、市民にとってランドマーク的なものである。この小倉山をベースキャンプ的な場所とし、自然を楽しみながら歴史、伝統に触れる体験型、滞在型の施設として小倉山ベースを提案する。小倉山を取り巻く環境はとても素晴らしく、小倉山、長良川、旧市街地の各ゾーンを自然、歴史、伝統でつなぐことで魅力あふれる空間を演出することができると考える。
そこで、この小倉山に、長期滞在ができるよう総合案内所兼宿泊施設としてセンターハウスを山の南斜面に計画する。この施設は豊かな自然に囲まれた場所に位置し、美濃の地での思い出作りのベースとして重要な役割を担ってくれると考える。この施設と連携して、小倉山にツリーハウスや空中回廊を設ける。 ツリーハウスの窓からの眺めは、枝の合間から自然豊かな美濃の遠景が味わえる。また、空中回廊では古い町並みや、滔々と流れる長良川を眺めることもできる。林内では森林文化アカデミーとタイアップして、自然にふれる体験型教室を開催し、森林文化普及の一助となっている。
長良川では川辺の喫茶店でティータイムをとって時の過行くままに川面に見とれていることもできる。この喫茶店から下流に行くと川湊灯台があり、そこからは遊覧の川船がでている。夕陽が沈んでゆく頃には、灯台の灯りが川面に川船を映す。その風景はまるで絵に描いたように美しく、時のたつのを忘れてしまう。そして和紙街道と呼ばれた牧谷街道の坂道を登ってゆくと、うだつの上がる古い町並みへとたどりつき、宿泊施設についた頃には、古い町並みの灯りと山々のシルエットが見え、自然の美しさを感じつつ、美濃の夜が更けてゆく。 こんなロマンティックな時間を小倉山ベースでは提供できると考える。
市民や観光客が安らぎを感じられるエリアが生まれ、住みたい町、訪れたい町へと繋がってゆくことを期待する。
渡邉美好
ランドスケープデザインコース
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